キジの卵

クロベが上手に割りもせずくわえて来たキジの卵、暖かかった

朝早く散歩に出ていつもの里山をクロベのリードを外して自由に走らせていた。
そのうちクロベは田圃の奥の笹やキリンソウの群生しているあたりにもぐり込んでなかなか出てこない。
何か見つけたのかなと思ってしばらく様子を見ていたがキリンソウも動かず音もしない。
10分くらい待っていたがそろそろ帰ろうとクロベを呼んだらしばらくしてキリンソウが少し揺れてすぐキジが飛びだした。
キジは親父の前を飛んで道路を越してからお尻からなにか落とした。
青サギなどは飛びながらよく糞をするのでそのキジも糞をしたのだろうと思っていた。

2日前キジが飛びだした藪に向かうクロベ

やがてクロベが戻ってきて糞が落ちた辺りの草むらに行ってなにかをくわえて来た。
口を開けさせてみたら鶏卵の半分ほどの青味がかったきれいな卵だ。
キジが卵を落とした時の高さは3〜4mだったが全く割れていない。
生みたての卵は殻が柔らかいようだから割れることもなくうまく着地したのだろう。
これはクロベの手柄だからその卵はクロベにそのままくわえさせていたら食べてしまったのかいつの間にかなくなっていた。
キジには気の毒だったがちょうど産卵中だったのだろう。

春は飛ぶ鳥の種類も増え、いろいろなさえずりが聞こえてこの里山の空も賑やかになっている。
散歩ではキジやコジュケイにもよく出会うが思いもかけない珍しいものを見た。

藪の中で見つけた巣には卵が9個あった

2日後、その辺りの写真を撮ってこの事をHPに載せよう。
ひょっとしたらあのキジがまだ抱卵しているかもしれないと考えてデジカメを持って散歩にでた。
その繁みが見える辺りまで来たら止める間もなくクロベが走って行き、しばらくしてキジが飛びだした。
やがて繁みからクロベも出て来たが口に何かを含んでいる。
出させたらキジの卵だ。
かみさんは持って「あったか〜い。」と云っている。
そこでその藪を探したらすぐにかみさんが巣を見つけた。
中には卵が8個ありクロベの持って来たものを返して9個、2日前の分も合わせると10個ほどになるからキジはたくさん卵を産む鳥のようだ。


クロベの持って来た卵を返し、写真を撮って急いで引き揚げたが親が巣を放棄したりせず戻って抱き続けてくれればいいが。

クロベは卵を割りもせず上手にくわえてくるが食べる気は全くないようだ。
都会育ちで自然のものを採っていただくという野生の気持がこの親父同様、乏しい。
太ったキジが飛び立つのを見て「おいしそう!」と叫ぶかみさんと違うところだ。
この時はかみさんも「持って帰って朝は卵かけごはんにしよう。」とまでは言わなかったが・・・

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