真っ暗な
真っ暗な 商店街の 奥にある 夢に通じる 日だまりの道
雨花粉 寒さ寂しさ 3月を 眠りの中に 閉じ込めていく
立ちている 乙女の肩を 縁どれる 入学式の 朝の光が
北国の 乙女の今や 蝶となり 私を抱けよ 祇園の夜に
春が来て 醍醐寺に咲く 花の下 くぐる時眼は 明るく開き
夜の街 見渡す限り 一片の 真実もなき 君たちのこと
浮かべたる 笑みには 多少老ひあれど 吾は直立 鏡の中で
わずかにも 触れえざること 悔やみつつ 君と別れし 長崎の春
毎朝の 通勤の道 昨日より クマゼミの声 盛んとなれり
なつかしや 積乱雲の 彩りの 石垣島に 日は傾けり
手洗いの 開きし窓に 黄緑の 葉が濡れている 霧の禅寺
夕焼けに あらゆる体液 ふりしぼり 発狂列車の 加速度あがる
モクレンに ウグイスの声 朝8時 冷え冷えの道 にて拾いしは
三輪山の ふもとに泳ぐ 鯉のぼり 北葛城へ 吹く風静か
夜のふけて 街灯の色 ほの白く 虫の声聴き 家路急げり
時は今 終わりに向かって 突っ走る 光のように 若さを楽しめ
音羽山 坂を見上げる 目はくらむ 真正面から 登る朝陽に
紫の 雷雲が来る 童ども 手をとりあえよ 駈けてゆけゆけ
出口なき 日常の上 いつまでも 輝く夏の 笑顔の記憶
静寂を 見つめた場所は ミュージアム つぶやいて行く 風強き道
我が敵は 睡眠不足と 覚えたり 雑踏の中 うつむく時に
熱したる パフォーマンス の汗に濡れ 微笑む君は 炸裂なれり
ラーガ聴く 都の夕べ 遠ざかる 列車の窓に 揺れる星影
お東の ろうそく遠く 光りたる 永運院の 門を出にけり
君いつも 熟せる肌で 誘えども 我が心には 恋など届かず