迷わずに
迷わずに 君の裸体を かき抱く 世界平和を 引き換えにして
もみじ降る 季節の風が 寒いのと きみはわたしの ポッケに手を入れ
あまりにも 大阪だよと 手をかざす 午前10時の 裸電球
メル友の 言葉うれしき 唐突に 凍結の道 駈けんと思う
悪いこと ばかりの起きし 工業の まちの季節を 語らう友あり
月高く あまねく照らし 君ひとり 広沢池に 男を待てり
雪解けの 逆光従え 乙女らよ 朗らかでいて 革命の朝
海沿いの バブルの空き地 晴れ上がり 背広の人が ひばりをにらんだ
嫌われて 桜爆発 東山 夢の景色は 今がその時
忌わしき キャバレーの街 許そうか 夜間保育所 そこにあるから
三輪山に 6月の来て 思い知る 水と緑と 光の国を
午後遅き 順光に見ゆ 葛城山 アワダチソウの まだ咲かぬ道
時は去り 友と歩みし 山之辺に ただ一片の 雲も浮かばず
狂い咲く 花に射したる 透過光 かつて抱きし 肌の色如
奥入瀬の 三里の道を 了えければ 十和田の湖に 春霞あり
岩手山 日も暮れならば 夜桜を ともに愛でらん 同宿の女
藍色の 寒き夜空に 浮かびたる 角館なる 桜の花よ
陸奥の うつらうつらの 汽車の旅 緑の風に 鯉のぼり立つ
霧雨が 過ぎし横尾の 谷に座し 木漏れ日浴びる 昼下がりの刻
いざ立てよ 雨の急登 始むべし あたり一切 目をそむけつつ
西穂より 険路越え来し クライマー 朝陽の照らす その若き顔
ふりかえる わが10代に 一切の 乙女も花も 見ることを得ず
手を取りて ともに語らん どこににでも 転がるような 人生なれど
見開きし 君のまなこに 映りたる わが身に積る ぼた雪の色
大和川 しかめっつらで ながめたり 沈む陽の射す 列車の窓際
君くれし 果実の表 反射する そのつかの間に 秋は過ぎゆく