人知れず


人知れず 大阪の海で かしこまる 君の手術が 始まる時刻

伝えてよ 検査の合間 ただひとり 哀しみ染める 心の色を

あたたかく 我が身の内を 伝うなり 入院の夜 きみの涙は

夏の朝 術後はじめて 見る空は ぼくに続いて 広がる確かさ

病棟の 屋上に出て 朝顔に 心を開く あなたがもどる

静かなる 夕べのキキョウ 残り香を いかに届けん 病の床に

春の午後 君と見えし 港町 涙の霧に 包まれにける

5年の間 更新のなき ウェブサイト 君は逝きしか メールも還らず