わたしの好きな短歌


うらうらに 照れる春日に ひばり上がり 心かなしも ひとりし思えば

大伴家持

春の野に 霞たなびき うら悲し この夕かげに 鶯鳴くも

大伴家持

春の苑 紅におう 桃の花 下照る道に いでたつ乙女

大伴家持

恋い恋いて 会える時だに 美しき 言尽くしてよ 長くと思わば

万葉集

春過ぎて 夏来にけらし 白たへの 衣干したり 天の香具山

万葉集

明けぬとて いでつる人の あともなし ただ時の間に つもる白雪

藤原定家

子亡きあと 心の重荷 吾が背負い 今日も登るか 三平峠

平野長英

ころがりし カンカン帽子 追うごとく ふるさとの道 駈けて帰らん

寺山修司

マッチ擦る つかの間海に 霧深し 身を捨つるべき 祖国はありや

寺山修司