絵を描くあなたへのメッセージ


気をとりなおし描き続けよう。どこにもないあなただけの一点に心をこめて愛情を注ごう。ふだん表すことのできないエネルギーを高らかに持続させ、細心の注意を払い、全力をふりしぼって、一歩でも理想の景色に近付こう。10代の時失われた何かを再び取り戻すように。

時間は十分あるよ。一歩一歩進んでいくんだ。

上手な洗練された作品よりも、共感できるもの、心をうつ作品を待っているのさ。その意味ではあなたの下手さ加減は強力な味方なんだよ。そして自閉的で社会的適応力を欠くパーソナリティーが胸のすくような奇跡の大逆転を演じてみせる。

筆を持つ手は震え、線はぎこちなくゆらぎ、色は濁って、思いどおりのトーンも出せない。そうやって傷つきながらも、なにかを抱き締めるように訴えるものを見せつけてくれ。

思いきって描こう。それはコントロールを失った線を引くことやトーンの強い色を使うことじゃない。発想を大らかにすることだ。

1日じゃ大したことはできない。一歩づつ進むんだ。あなたにはそれができるはずさ。世界はいつも指先にとどく場所にある。どんな日常のひと時にも、光の変化と色彩の混ざりかたを注意深くながめよう。そして目を閉じたなら、こんど描く作品のことをありありと思い浮かべよう。実際に作業してる時よりも、むしろそんな時間のほうが大切なんだ。

あの景色のなかにあなたとはいっしょに行くことができないかもしれない。でもあの色と光と形へのあこがれは、今もぼくらをささえている。けっして行くことのできない世界。だからこそいつまでも求め続けることができるんだ!