渡辺淳一「うたかた」
 
 
バブル時代のベストセラー。
既婚の50代の男(作家)と既婚の30代の女の不倫を描いている。
文章がわかりやすい。上下2巻からなるが、3,4時間あれば読める。
 
内容はというと、男が金に物をいわせて女をたらしこみ、高級飲食店等でしこたま飲み食いし、京都、大阪、奈良などへ不倫旅行し、女を寝床や風呂場で絶頂感へ陥れ、その程度をエスカレートさせ、ついには色情狂に仕立てあげるさまを描いたものである。最後は北日本の別荘で男が女の陰毛を剃るという場面で終わる。
 
感想は、ただ一言。
 
「いい年をして何をやっているのか」
 
この小説に書かれている男と女のことをわたしは理解できない。
変態ならもっと変態らしいことをするべきである。陰毛剃りなど、馬鹿馬鹿しいことこのうえもない。
 
性愛に溺れるのも一興ではあろう。人生には、その時でないとできないことというものがあるからだ。
余っている金なのだから、女をたらしこむのも囲うのも勝手にしたらいい。
また、説教面して貞操云々を述べるつもりも毛頭ない。
 
しかし、相応の年齢になっても、性愛のごときに心身のエネルギーと時間を消費するというのはどうか。
 
本当に大切なものがそこにあるのか。心の平安と解放を見い出せるのか。
答えは誰でもわかっている。
 
心の平安は欲望を達成し、同時にそれを捨て去ることで得られる。
 
いつまでもマスターベーションを覚えたての中学生みたいな行動をとるべきではない。
 
すべての男子たるもの、最初の勃起の時に楽園追放の憂き目を見る。以後の数十年にわたって、欲望にさいなまれ続ける。男は、それを抑圧し、それと闘う。
そして、性愛は常に文学、芸術のテーマである。しかし、真に価値あるものに高めえたのは、谷崎潤一郎だけだという気がする。
 
この小説の作者は医学者らしいが、それなら、もっと人を救うような物語を書くべきだと思う。かかる低俗作品が売れたという社会状況及び民度は、憂うべきものであると言わざるをえない。
残念なことに、この作家は出版社に煽られて、より陰惨な結末を持つ同様のテーマの作品を数年後に発表し、数百万部の売り上げを達成した。
 
そのタイトルはこともあろうに「失楽園」。かの17世紀イングランドの生んだ大叙事詩と同一。
 
世界中の良心的文学愛好者の間では、人類の至宝を冒涜したとしての非難と嘲笑の的。

このばかはさらに「欲情の作法」なるごみを書店に山積みしてひと儲けした。

ええ年こいて、アホか。

白髪まみれのスケベ面さらすな!

このテキストが名誉毀損と言うならいつでも受けて立つぜ。

エロ医者さんよ。