金輪院小泉庚申堂
奈良県大和郡山市小泉町

宗派 天台宗

山号 尭山山

本尊 青面金剛尊


オン ディバ ヤキシャ バンダ バンダ カ カ カ カ ソワカ

当寺金輪院の本尊として祭祀される青面金剛尊の真言です。これを漢字で表記した場合、「ヤキシャ」の部分は「夜叉」となり、その名が示すように青面金剛尊の姿は強烈な憤怒の表情をもって表されます。堂内には何枚もの青面金剛尊の絵図が掲げられています。

この青面金剛尊を本尊とするのが当寺で、山号を含めていえば尭山山(ぎょうせんざん)金輪院を正式な名称としますが、「小泉庚申堂」の名の方が良く知られています。大和国の庚申信仰の総道場となる寺院です。



片桐且元《かたぎりかつもと:1556年(弘治2年)〜1615年(元和元年)》・片桐貞隆《かたぎりさだたか:1560年(永禄3年)〜1627年(寛永4年)》の兄弟は元々豊臣秀吉に仕えていましたが、共に豊臣氏の下を去り徳川家康に仕え、兄 且元は大和国竜田藩初代藩主に、弟 貞隆は大和国小泉藩の初代藩主となりました。

片桐貞隆に感じるところがあり、家蔵の什器を焼いたところ灰中から痛まぬ青面金剛像が発見されました。小泉藩2代藩主片桐貞昌のとき、家臣で茶人でもあった藤林直良(宗源)がその像を本尊として1659年(万治2年)に創建したのが当寺です。

本尊はまた青面金剛夜叉尊とも呼ばれ、秘仏となっています。上記とはまた違った伝承として、文禄の役(1592年)の時、片桐家の者が兜の中に本尊を置いて霊験を被り、通常は城内(小泉城)に、庚申の時は当寺に安置して祭祀したという話も伝わります。

その他に本堂には、60年に1度の庚申の年にしか開扉されない秘仏大青面金剛絵像も安置されるとのことです。



現在、住職さんは常駐しておらず、祭事の時には明日香村の橘寺から僧職さんが来られるそうです。普段は近隣の人たちによって守られており、その人たちの手で長らく絶えていた庚申の祭事が10年ほど前(2012年年から)に復活されたとのことです。

庚申の日は60日ごとに巡ってくるので、1年に6回(2011年は7回)の庚申の日には前夜から夜通しの祭事が執り行われます。



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庚 申




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