赤ちゃんの誤飲
 赤ちゃんの事故というと多いのが、まず誤飲。そしてはいはいや伝い歩きで転ぶ、ぶつかる、落ちるといったところでしょうか。 ぶつかる、転ぶというのはもうあたり前だと思いますが、誤飲はやはりその成分により本当に恐ろしいものもあるようです。

 ハイハイができるようになりつたいあるきが始まるころには指先も器用になってきて見えるもの、手の届くところにあるもの全てに興味が出てきます。手にとってみるとまず口に入れるのは赤ちゃんの発達の段階で当然の動きです。

 何より基本は手の届くところには置かない、見せないでしょうが、ふと気を抜いたすきにやってしまうものでしょうね。我が家も大事には至りませんでしたが、ビニールの切れ端を飲んでしまいました。しばらくはごみ箱も隠していたり危なそうなものはごみ箱に捨てない(直接表に出す。何のためのごみ箱やねんって感じですね)など気をつけていました。

 画びょうやガラスのかけらなんかは当然ですが、手を出すというとビールの空き缶やボールペンでもそうですよね。お財布(小銭)もアクセサリ(私はピアスがいくつかありますので。もう使ってないイヤリングとか指輪とか)も兄弟のおもちゃも気をつけなければいけないものだと思います。
前のページでも書きましたが、「赤ちゃんが飲んでしまうと危険なもののサイズ計り」グッズというのも売られています。それをそのまま使うことはないと思うけど、店先でそれを見て大体の大きさや具合がわかればいいと思います。


 ここではどちらかというと、特に危険そうだけれどよくわからない化学物質(というんでしょうか?いわゆる洗剤、薬品に近いものですね)について挙げました。もし万が一誤って飲んでしまった、口にしてしまった場合には落ち着いて何をどれくらい飲んだか、様子をよく見てみましょう。


誤飲の処置について
◆◇ マークの説明 ◇◆
:水を飲ませる :牛乳を飲ませる
:吐かせる :吐かせない
:病院を受診する

 グラムやリットル数で記述してあるものは体重10kgあたりその量を飲んだ(なめた)場合のものです。


 何かを飲ませる場合、水でいいのか、牛乳がいいのか、どちらでもよいのかも違います。牛乳によって成分が変わり悪化するものもあればしないものもあります。
また、吐かせるのも、無理に吐かせると気管(気道)に入りよくないものや、傷をつけるものもあります。それぞれ注意が必要です。

 いずれの場合も、処置をしてしばらくのあいだは様子を見ることが大事です。少しでも変わった様子があったりした場合はすぐに医療機関を受診しましょう。


タバコ 2cm未満:
2cm以上:(すぐ医者へ)
タバコ一本分に含まれるニコチンは乳児2人分の致死量にも達する。
吸殻の入った水 (すぐに医者へ) 濃度が濃くなっているので特に注意する。
台所用合成洗剤 5ml未満:
5ml以上:
目に入った場合は流水で15分ほど洗い医者へ。
クレンザー 5ml未満:
5ml以上:
研磨剤と界面活性剤の場合。塩素系漂白剤の入っている場合は医者へ。
台所用漂白洗剤 なめた、薄め液を飲んだ:
原液、粉末を飲んだ:
皮膚粘膜にやけどを起こす作用が強いので無理に吐かせない(食道を傷つける恐れがある)。
目に入ったら流水で15分ほど洗う。
食器洗い機専用洗剤 なめた:
飲んだ:
皮膚粘膜にやけどを起こす作用が強いので吐かせない。
また目に入ったら流水で洗い、痛みや赤みがあればすぐに医者へ。
洗濯用合成洗剤
(粉末)
なめた(5g未満):
なめた(5g以上):
漂白剤配合、濃縮タイプ(1g未満):(具合が悪そうなら医者へ)
〃(1g以上)
洗濯用合成洗剤
(液体濃縮)
1g未満:(具合が悪そうなら医者へ)
1g以上:
薄め液を飲んだ:
洗濯用漂白剤 なめた、薄め液を飲んだ:
原液を飲んだ、粉末を食べた:1g未満:(すぐ医者へ)
皮膚粘膜にやけどを起こす作用が強いので無理に吐かせない(食道を傷つける恐れがある)。
また塩素系漂白剤と酸性洗剤を混ぜない。有毒な塩素ガスが発生する。
洗濯用柔軟剤 なめた(10ml未満):
なめた(10ml以上):(すぐ医者へ)
濃縮タイプ(3.3ml未満):
〃(3.3ml以上)(すぐ医者へ)
ガラス用洗浄剤 なめた:
飲んだ:(すぐ医者へ)
目に入ったら流水で15分ほど洗う。
換気扇・レンジ用洗剤 なめた:
飲んだ:(すぐ医者へ)
住居用洗剤
(中性)
5ml未満:
5ml以上:(すぐ医者へ)
住居用洗剤
(アルカリ性)
なめた:
飲んだ:(すぐ医者へ)
皮膚粘膜にやけどを起こす作用が強いので無理に吐かせない。
パイプ用洗剤 なめた:
飲んだ:(すぐ医者へ)
目に入ったら流水で15分ほど洗う。
せっけん 10g未満:
10g以上:
薬用せっけん 10g未満:
10g以上:
逆性せっけん 10g未満:
10g以上:
シャンプー 5ml(3ml)未満:
5ml(3ml)以上:
ふけとりシャンプーの場合、3mlで。
殺菌消毒剤(ジンクピリチオン、二硫化セレン、イオウ、トリクロサン)が入っているため。
リンス 10ml未満:
10ml以上:
マニキュア 5ml以上の場合すぐ医者へ。
除光液 2ml以上の場合すぐ医者へ。 有機溶剤のアセトン・エタノールを含む
化粧水 10ml未満:
10ml以上:
エタノールを含む場合、アルコール中毒を起こす作用がある
乳液 中毒の心配はほとんどない。(大量に飲むと吐き気や下痢が起こる場合も)
クリーム 中毒の心配はほとんどない。
口紅 中毒の心配はほとんどない。
香水 2ml未満:
2ml以上:
エタノールを含むので、アルコール中毒を起こす作用がある
ベビーパウダー 中毒の心配はほとんどない。粉を吸い込んでむせる、咳き込む場合は病院へ。
ファンデーション(リキッド・固形) 中毒の心配はほとんどない。
ヘアカラー(染毛剤)
1剤式のもの、2剤式の1液:
2剤式の2液(10g未満):具合が悪ければ
(10g以上):
「永久染毛剤」と呼ばれ、食べると顔、あご、のどに浮腫を起こし呼吸困難を起こさせるもの。
ヘアカラー(染毛料) 中毒の心配はほとんどない。「染毛料」は髪表面をコーティングする、浅く染み込むもので毒性の強い酸化染料や酸化剤は含まれていないことがほとんど。
ヘアスプレー フィルム形成剤、エタノールなど。毒性がないわけではないが、大量に飲むことは困難であることから。
防虫剤
(しょうのう)
吐き気、嘔吐、けいれん、意識障害などが症状。油分にとけると吸収されやすくなるので牛乳は与えない。吐かせるのもけいれんを誘発する恐れあり。
防虫剤
(パラジクロロベンセン)
1g未満:
1g以上:
誤飲事故の80%がこのタイプだそう。
防虫剤
(ナフタリン)
嘔吐、下痢、腹痛、発熱など。1〜5日後に溶血、肝障害、腎障害を起こすことも。
防虫剤
(ピレスロイド)
中毒の心配はほとんどない。
ホウ酸だんご 1g未満:
1gl以上:
接着剤
(有機溶剤含む)
2g未満:
2gl以上:
有機溶剤が含まれているもの。
接着剤
(有機溶剤含まない)
有機溶剤の表示がないもの。中毒の心配はほとんどない。
体温計の水銀 蒸気を吸い込んだ場合: なめた程度では中毒の心配はほとんどない。
体温計の水銀(金属水銀)は食べてもほとんど吸収されない。気化した水銀の蒸気は毒性が高い。
(日本中毒情報センターより)

こうやってみてみると、実に私たちの周りには危険なものが多いんですね。
自然のものを使って自然に生活することができればいいのですが難しいですね。



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