◆ 入院生活 ◆

◆ たった5日間の入院生活だけど ◆
◆ ゆっくりのんびり過ごせた貴重な日。 ◆
5月28日(金) 出産当日

産後二時間、二階の広い部屋に移動する。
自分で立って歩いて行けた事に何よりびっくりした。
1号の時は車椅子で看護婦さんに連れて行ってもらった。
2号の時も車椅子しかもカテーテルをつけて24時間安静だったから、最初は食事も1人じゃできなかった。

それが座って自分で食事を食べている。その楽さに驚きと感謝。

夜中、何度か泣いた3号におっぱいを含ませてみる。添い乳をしてみたりして、幸せに心がくすぐられる。




この入院生活を通してホントにおいしかった食事。
せっかくなのでお食事日記をつけてみた。 →コチラから
5月29日(土)

結局夜中に数度起きた3号。おっぱいを吸わせてみたけれど、まだ出ていないからちゃんと飲んで寝たわけじゃないみたい。吸うことで満足した様子。
朝、5時頃から目を覚ましてこっちを見ている。うつうつとしてまた眠ってしまった。

外来にヨガでいっしょのヒアサさんが来ていたそう。赤ちゃん(ユヅキくん)を連れて来てくれた。お互いにいいお産が出来てよかったね、またヨガで会おうねと言って別れる。



1号、2号、パパが来てくれる。1号と2号がおこづかいでお花を買ってくれたんだそう。遅いなあと思っていたら、そういう事だったのか・・・。
思わず感激の私。涙は出さなかったけど、実は泣きそうなくらい母は感動した!!



午後、おっぱいのマッサージ。初乳が出てきているのでしっかり飲ませてあげてねとの事。泣くたびに吸わせてみる。まだ順調に飲んでいるとは言えないけれど。

夜までいて、私の食事につきあってくれた1号、2号、ぱぱ。途中3号をお風呂に入れてもらった時はやっぱりまた見に行ってきた。

三人は近所のコープで晩ご飯を買い込み。
広いお部屋にまるで我が家のようにくつろぐ私達。

実は泊まりたいと言った1号。ホントは泊まらせてあげてよかったんだけど、結局一度も泊まらなかった。それでも金曜日の夕方から最初の土、日をいっしょに過ごせたことはとてもうれしい・・・。
5月30日(日)


午前中は外来もなく、静かな助産所。
私は静かな間にシャワーを浴びる。汗をかいて、疲れてたから、温かいお湯が本当に気持ちいい〜〜。

その後、父母が来る。少ししゃべってすぐに帰っていく。朝から蒸し暑くて、雨の予報が外れたせいか、曇っているけど雨の気配はまだなし。



スイミングを終えて1号、2号、パパが来る。義母もいっしょ。お昼を食べてのんびりしている時間。

午後、よしみがトモキを連れて来てくれる。私の大好きなヴィラージュ川端の黒豆シフォンを買ってきてくれるも、お腹いっぱいで食べられない・・。残念。

夕方、3号沐浴の後、私はおっぱいマッサージ。だいぶ張ってきて飛び上がってしまうくらいイタイ。
それでも、温かいタオルをのせて、話をして紛らわせながら両方のおっぱいをマッサージしてくれる。
新生児室で看護士さんにおっぱいをがちっと掴まれて「出てないのー?」なんて言われる事を考えたら、きちんとマッサージしてもらえてよかったって思う。



1号、2号が帰ったあとは静かなこの部屋。今日は「明日学校・保育園やから」と早くに帰って行った。
明日は会えないから、とてもさみしい・・。
3号は夜寝るまでに1時間ごとに泣く。そのたびにおっぱいを吸わせていたら、少し切れてきていて涙が出るほど痛い。おまけに張ってきていて横になるのもつらい。これこれ、この痛みだ。マッサージしてもらったときに、レタスの冷湿布っていうのを教えてもらう。いや、レタスをそのままおっぱいにのせるだけなんだけど。一晩していて、朝少し張りが落ち着いたかも。

夜中1時間おきに泣いた3号に添い乳するもなかなか寝ない。朝までうつらうつらの時間が過ぎる。

5月31日(月)


結局朝方少し眠っただけで、ほとんど寝られなかった。朝曇って蒸し暑かったのが、昼頃だんだん空が暗くなり、強い風と雨が降り出す。ばちばちと壁や窓に当たる雨の音がものすごい。

午後、お昼ご飯を持ってきてくれたのに、全く気が付かず眠っていたらしい。沐浴のときに「結構疲れてるでしょ。ちょっとの間預かるわね」と3号を連れて行ってくれた。少しうとうとできた。

午後1時頃、直ちゃんとロコが来る。その後お母さんも。たくさんもらったおやつを食べて、4時前雨の止み間をぬって帰って行く。

夕方まだ外は明るい時間。さっきおっぱいをのんだ3号は大の字になって寝ている。
下からこんこんこんと食事の支度をする音。炒め物の匂い。
シャワーを浴びた余韻で身体の芯がほんわりとしていて、3号の横でごろりと転がる。
雨があがったらしく外は涼しくて、大きな通りから1本入っただけのここは本当に静かだ。
しばらくして食事を持ってセンセイが上がってくる。

湯気の立つお皿を前にして、私が欲しかったのはこれなんだと思う。
家族みんなで臨んだお産、会陰切開も剃毛も浣腸もないお産。
分娩台で仰向けになって、足を固定された出産はいやだ。
自由なスタイルで、自分の好きな姿勢で好きに産みたい。
そう思って来たけれど、結局仰向けになって産んだ。
それはやっぱりそうしてしまったから。仰向けが悪いんじゃない。よつんばいになることが解放されてるんじゃない。
やりたいように自然にやることが、本当にしたかったことだったんだ。
そして、全てが終わったあと、私のために、私だけのために、温かい食事を作ってくれる人がそばにいる。
「がんばったねえ」「もうだいじょうぶよ」そう言ってくれる人がいる。
そんなお産を望んでたのかなあ。

明日家に帰ったら、1号と2号に会える。
この数日間、2人に会えないことは身を切られる程さみしかった。
でも、また母として妻として私としての毎日が始まる。
そこに戻っていくことは、例えようもないくらいうれしい事だけど、
この静かな瞬間があったらきっと「ああ、あのときの静けさ」を思い出せるだろうと思う。

6月1日(火)


外来の診察がある日。検診に来る人の物音が感じられて、別世界から帰ってきたような気分になる。

午前中、ヨガでいっしょのカンバヤシさん(7月出産予定)が来ていたとの事で顔を見に来てくれる。出産の話や子育ての話をしている間に感極まって涙ぐむカンバヤシさん。何だか私まで泣けてきそう。

その後、もう一度おっぱいマッサージと内診。おっぱいの張りはだいぶましになっているけれど、とにかくしっかり飲ませてねとの事。きちんとでるいいおっぱいよ、だいじょうぶだいじょうぶと言ってもらえてまたうれしくなる。

11:00

パパが迎えに来てくれる。いよいよ退院。
たった5日間だけだったけれど、お世話になったこの場所をきっと忘れない。

センセイに挨拶、お祝いのお赤飯と赤ちゃん日記をいただいて、助産所を後にする。


少ーし黄疸が出ているから(生理的なもので問題ないそう)と日光浴。
そのままその足で市役所へ出生届の提出。全部終わった後はさすがに疲れた。家に帰ろうね。


出産した当日を含めて5日間の入院生活。
助産所と言っても施設は普通の民家と同じ。
しかもお母さんのように、私のために、私のためだけに食事を作ってくれる人がいて、
何かあればすぐに診てもらえる。
その安心感は今までの病院でのお産では考えられないものだった。

日が変わるたびに交替していく看護士さん。
検診のときからセンセイと話すのはモニターを見ている&内診している数分。
出産、その瞬間でもセンセイが来るのは全開大になったその瞬間から。
それまでは看護士さんが1人いたりいなかったり。
新生児室を行き来しながら「こっちも手足りてないねんけどー」なんてのんきに言われたり、
「はいちょっとここで待っててね」なんてほったらかしにされてしまう。
「あの看護士さん優しかったのに・・」「この看護士さん、デリカシーがない・・」いろいろ思う事はあっても、
私達はただ流れ作業にのってこなされていくだけ。

今回のお産でよかったことはいっぱいあるけれど、顔を合わせて信頼していた人に信頼できるサポートをしてもらえる。
たったそれだけのことができたらこんなにリラックスして過ごす事ができるんだなあ。
つくづくそう思った。

幸せなお産。今までの2人のお産と比べて本当に幸せだねえ、3号。そして私。