なぜ「いじめ」は起きるのか
「いじめ」をひとくくりにして
「これが原因だからこうすればいい」と一言で片付けることはできないと思います。
でも、その根元は一つだと思います。それは、いじめる人間が「不安を感じないでいたい」という欲望、本能を単純に追求した結果なんだと思うのです。
例えば、転校生がいじめられるのは、転校生が「転校生自身の普通」を持ち込むことで、いじめる人間がそれまで「普通」と思っていたことが否定されたかの様に感じるからではないでしょうか。
あるいは、番長的な子供が他人を「生意気だと」言うのは自分の意のままにならない人間の存在に不安に感じるからではないでしょうか。
他にも
・他人が優秀だと自分がミジメだと感じるから他人を蔑んで自分より低い存在に落として不安を感じないようにする。
・他人のミジメな姿を見てほくそ笑んで、「自分はそれより上だ」と安心する。
・自分の理解できないことをする他人が成功するのは不安だからその邪魔をする。
などなど、、、
「不安を感じないでいたい」ということ自体は決して悪いことではないのです。ただ、それが為に他人に犠牲を強いてはいけないのです。
そして、もう一つの理由は
「自分が攻撃側にまわっている間は、他人から攻撃されないだろう」という本能のようなもの、そのようなものが見て見ぬ振りとなったり、いじめに加担したりするのでしょう。
しかしこれもまた、不安を感じないでいたいという本能の様なものだと思うのです。
学生は子分を食べさせなくてもいい
あまりいい例ではないのですが、暴力団の親分も、子分は食わせなくてはならないのです。自分の食べて行く分のお金をくれない親分には、どんなに恐い人でも子分はついて行かないのです。
でも、学生のいじめる人間は別に子分を食わせなくてもいいのです。それはそれぞれの親がやってくれます。子分の将来の面倒を見なくてもいいのです。ただ他人をいじめて自分はいじめられる存在じゃ無いとアピールしていればいいのです。そこには責任など存在しないのです。だから、いじめには際限がないのです。
子供はエスカレートしたら止まらない
死亡事件にまで至ったいじめに関するニュースを見ていると「どうしてそんなになるまでやめなかったんだ?」と思うことがありませんか?
死に至るまで殴り、蹴り続ける。冷たい川に入れと命令する。大人なら「そんなことをしたら相手は死ぬだろう」と思うことを子供は平気でしてしまいます。なぜ?
僕が思うに子供は何かに高揚感を覚えると、それをエスカレートさせてゆき、行き着くところまで行き着かないとやめることができないからだと思うのです。
「高校生ならもっと判断力があるだろう」と思われるかもしれませんが判断力とはある年齢になれば勝手に身につく物では無いのです。
「いろいろ自分で考えて行動して、成功したり失敗したりする」ということを繰り返して初めて身に着く身に付くものだと思うのです。
でも、現代の学生は親や教師から言われることをこなすだけで決定的に経験不足なのです。
何も、「他人をいじめる経験」をしろと言っているのでは無いのです。
例えば、日曜大工で箱の様なものを作ってみる。でも、最初からうまくいく訳では無いのです。板を真っ直ぐに切るなんてできないし、釘もうまく打てないでしょう。そして出来上がった物は当初 自分が考えていたものとは程遠い物しかできないでしょう。
でもその経験から、自分自身の能力を知るのです。世の中は自分の思い通りにならないことを知るのです。時には、妥協しなければならないことを知るのです。
現代の高校生は昔より大人びている様に思われるかもしれませんが、実は知識ばかりで実際の精神は幼いのじゃないかと僕は思うのです。
学校という空間に閉じ込められるからいじめはなくならない
例えば、犬の群れにもいじめの様なものはあるようですが、犬の場合、自分自身の命が脅かされるほど「いじめられる」ならその群れを出て行けばいいのです。
群れを出て行けば生きるのが難しくなるかもしれませんが、群れの中にいて命を無くすのが確実なら、群れを出て行くほうが生き延びられる可能性は高いのです
でも、学生の場合学校に行かなければならないのです
「将来のことを考えると不安になるから。」
あるいは、「一人でいるのはもっと不安だから。」いじめられても学校へ行くのではないでしょうか
学校が問題を解決できないのなら学校に行かないというのも一つの選択肢ではあります。
ただその場合、その先の道はかなり厳しいのです。
2016/02/22