青が降る

 

星がチカチカする夜は
深い夜空の色をした
見えない雨が
降っているから

魔女の豊かな銀髪が
幾千筋となって
広がるように
月の光が闇間に滲む

青が降る夜は
内省の夜
知らない自分を
見つける夜

降りしきる想いを
宇宙と相似(あいに)た心に
掬い上げ
流し去る

最後に残った鱗粉は
白い幻蝶の名残
あるいは
美しく記憶された過去

消えゆく蝶の光跡を眺め
「さよなら」
と口ずさむ

青は降り続き
星はキラめく