季語:枇杷の花(びわのはな)


田中てふ名のこそばゆし枇杷の花 たなかてふなのこそばゆしびわのはな


初冬の季語。

枇杷の花は冬に咲く白い五弁の花
小さい花で目立たないものの、馥郁と香る

バニラに似ているという人もいれば
杏仁豆腐、いや桜餅だという人もいる
とにかく甘くておいしそうな香りなのだろう

多くの植物が葉を落とした中で咲く白い花は
蜂にとっては貴重な冬の食料の供給源
女神さまのような花なのかもしれない


枇杷について
「田中」とは、枇杷の品種名のひとつ。原産は中国。
葉の形や実の形が楽器の琵琶に似ている。

味はほんのり甘く、「控えめな田中さん」といった感じ。
片手に収まる大きさなのに、ほとんどが種で可食部は半分もなさそう。
なのになぜか愛される田中さん。
ほめ過ぎると恥ずかしそう。

ちなみに「枇杷」は仲夏の季語。