どこかにある楽園

 

水平線が高く
空に届きそうな
青色のひととき

港に浮かぶ舟だけが
ゆらゆらと揺れている

山の斜面に
積み上げられた
四角い家々は
メルヘンのように
夕陽に染まる

人気のない寂しさは
美しい

暗い窓から眺める海は
神話のように神聖で
お伽話のように
懐かしいのだろうか

印象派の画家は
楽園を実現しようと
色を添える

クロムイエローで光を
プルシアンブルーで影を