冬ノゲシ

 

鉢植えの隅っこに
摘み残した雑草が
木枯らしの朝に
花を咲かせた

寒さで変色した葉は
陽の短い昼間に
エネルギーを
精一杯蓄えて
全てを蕾に
託したのだろう

支えてくれる存在に
応えるように開花した
花びらの色は
儚げに黄色い

温室を知らない
雑草の強さが
凍えた心を
鼓舞することもある

雪になりそうな空の下
緑の枯れたベランダで
ひとり咲く
冬ノゲシ