八月の金の砂

 

ギラギラと光る
金の砂が
灼熱の太陽から
降ってくる

地上のもの全てが
輝いて見えるのは
陽炎のまやかし
白昼のまぼろし


神社の裏の小川の
メダカの背が光り

並木道沿いの川の
落差工の流水が光る

光を集めた川は
汽水域を経て
やがて
海へと流れ込むのだろう

そして日が沈むころ
西方浄土の幻影が
キララの波間に
ただよい始める

空に浮き出た月が
冷却の銀の砂を
散華するまでの
ひととき