晴れるでもなく

 

降るでもなく
曇りがかった
想像の境目で
うらうら揺れて
いたいのに

発声練習のような
選挙カーの声が
空想世界の
バリアに
穴を
開けては
去り
また
遠くから
やって来る

名前の連呼が
心に響く
わけもなく

晴れるでもなく
降るでもなく

チベットに降る
雹(ひょう)の音を
想ってみたりする