季語:蓮の実(はすのみ)

 

蓮の実を吉祥天に供す寺  はすのみをきっしょうてんにきょうすてら


仲秋の季語。

密教の吉祥天女は、古代インドの女神ラクシュミー(蓮女)に相当するそうな。
ラクシュミーはヒンドゥー教の女神信教の中でも最高の格付の女神とされる。
本来は4本の腕を持ち、蓮、甘露の瓶、ヴィルヴァの実、法螺貝を手にしているとされている。

仏教においては、吉祥天。
その父は徳叉迦(とくさか)、母は鬼子母神、夫は毘沙門天。また妹は黒闇天という堂々たる一門。
吉祥天が左手に持っているのは蓮ではなく、如意宝珠、右手は与願印を結ぶことが多い。

ちなみに、如意宝珠とは願いを意のままに叶える道具。
与願印(よがんいん)は相手の願いを聞き届けようというサイン。

吉祥天像で有名なお寺には、浄瑠璃寺、法隆寺、興福寺(すべて奈良県)などがある。