光と闇


相反した特性ながら、切っても切れない一対の組合せ、表と裏。
光は善いもの…たとえば「希望の光」
闇は悪いもの…たとえば「絶望の闇」
というふうに例えられたりする。

また、古語事典で「ひかり」を引くと「かげ」と出てくる。
むかしの人は、陰で光を表現したのだろうか。
たとえば「月影」とは、月の光、月明かり、月の光に照らされて見えるもの…

学生の頃、ドイツの哲学者ニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき(ツァラトゥストラはこう語った)』を読んだことがある。難しそうなタイトルに惹かれて…
案の定、字面を追うばかりで、どれほど内容を理解できたのかは未だ不明。
けれども、ひとつだけずっと記憶に残っているイメージがある。

それは、巨木の話
深い地下の闇の中へしっかりと根を伸ばしているからこそ高く直立している大きな木。
その高さゆえ、天からの光を存分に浴びることができる。
ここにも光と闇が織り込まれている。