ひまわりの名残

 

朝影の道
丈高のひまわりが
並んでいた
全員が首(こうべ)を垂れて
もの言わぬ風情

太陽と対峙して
育てた種が
重そうだ

そんなことを
思いながら
通り過ぎた

夕影の道
ひまわりは
変わらぬ姿勢で
立っていた
朝よりも
重やかな風情

少し厳かな気持ちになり
通り過ぎた


朝の風に
涼しさを感じる頃
いつもの道に
ひまわりの
姿はなかった

そこには
太陽を仰ぐ
黄色い花の
記憶だけが
残っていた