季語:冷麦(ひやむぎ)


冷麦を掬うては鳴るうつわかな ひやむぎをすくうてはなるうつわかな


三夏の季語。

涼やかな透明のガラスの器に白い冷麦
カランコロンと氷が鳴って
視覚と聴覚の涼しさ二重奏

なんで涼しく感じるのか
そんな左脳的な疑問は置き去りにして
右脳で遊ぶ氷の世界

つるつると食す時間は
瞬く間に過ぎ
お箸を置いたら
蝉が鳴く元いた世界


ちょっとした知識
「冷麦」の反対語は「熱麦」(うどんの旧称)

他の麺類とは麺の太さによって分類される。

<機械麺の場合>
・冷麦:直径1.3mm以上1.7mm未満(「細うどん」の表示も可能)
・素麺:直径1.3mm未満
・うどん:直径1.7mm以上

<手延麺の場合>
・冷麦も素麺も同基準:直径が1.7mm未満
・うどん:直径1.7mm以上

涼しい句
松風の落葉か水の音涼し(松尾芭蕉)
…季語:涼し(三夏)