欠片降る夜

 

天の暗黒から
驟雨のように
言葉の欠片(かけら)が降ってきて
地の漆黒に
光の川が現れる

小さな独り舟の影が
誘われるように
促されるように
欠片で編まれてゆく物語を
追いかける

水面に揺れる金の月
無数に光る意識の結晶

舟は未知の次元を流れてゆく

意識野の暗がりを抜け
億千万の恒星の渦の中へ

まぼろしの天の川銀河へと