
十一面観音立像(じゅういちめんかんのんりゅうぞう)
日本美術史(監修 山根有三 美術出版社)より抜粋
<奈良時代>
★聖林寺(奈良)…もと奈良県三輪神社の神宮寺に伝来したと伝えられる像
★観音寺(京都)…聖林寺の十一面観音に近い木心乾漆の様式技法
<平安時代~前期> 最古の檀像彫刻…九面観音像(法隆寺)
~ 延暦期前後 ~
★道明寺(大阪)…檀像彫刻(だんぞうちょうこく)
■■▶ 本尊拝観 毎月18日と25日(4月は17・18日)、元旦~1月3日
★園城寺[三井寺]別所 微妙寺(滋賀)…檀像彫刻
★海住山寺(京都)…檀像彫刻
※檀像彫刻:インドに起源をもち、木彫像の先駆をなすと考えられる彫刻。
芳香を発する檀木を用いる。
★法華寺(奈良)…一木彫(檜)の制約を全く感じさせない完璧な技法
…天平の観音のいずれにも見られないような一種隠微な蠱惑力を印象するのである …和辻哲郎
■■▶十一面観音菩薩立像特別開扉2024年10月25日 ~ 2024年11月11日(09:00~16:30 )
~ 貞観期以降 ~
★向源寺(滋賀)…外来の檀像彫刻を模したと思われる形相
▶木造:素地、像高:194cm、国宝 …元亀元年(1570)浅井・織田の戦火の際、土中に埋められ難を逃れた。
<平安時代~後期>
~ 天暦前後 ~
★六波羅蜜寺(京都・963年)…前代の彫刻と比べ全体的に平板。すべてにわたって強い表現を抑えている。決定的な新しい表現を見出だし得ない一種の模索の段階。
~ 康尚時代 ~
★遍照寺
(京都・989年頃)…檀像の切れ味を残しつつ、優美な表現
★禅定寺(京都・1001年)…次の定朝期との繋がりを思わせる例。奈良時代の古像を手本にしていると考えられる。
▶木造:漆箔 、像高:286.3cm、重文 …宇治田原は、万葉歌人志貴皇子ゆかりの地であったという伝承がある。
~ 石ばしる垂水の上のさわらびの萌えいづる春になりにけるかも ~ 志貴皇子(しきのみこ)
~ 長勢以降 ~
★観世音寺(福岡・1069年)…定朝様式からの一展開を感じさせる。
<鎌倉時代>
★宝積寺(京都・1232年)…鎌倉期の新風になじまず、前代以来の旧様を守っていた仏師群。院派仏師の保守的作風がよくうかがわれる。
★ 長谷寺 (奈良)
聖林寺の十一面観音立像