季語:寒卵(かんたまご)

 

歯並びのきれいな娼婦寒卵 はならびのきれいなしょうふかんたまご


晩冬の季語

懐かしく暗い風景が続く中、原色の娼婦の写真が突然現れる
40年程前のトルコの娼館に咲く徒花(あだばな)たち
エロティシズムを演じる衣装、表情、姿態…

写真を眺めていて違和感を覚えたのは
彼女の歯並びがとてもきれいだったこと

きれいな歯並びは健康と育ちの良さの象徴
であれば、男たちにとっては極上のプリティー・ウーマンだ

でも女のわたしは想像してしまう
そこへたどり着くしかなかった経緯(いきさつ)を
商売に撤した媚態をふりまく心の奥の方を