レモンの黄色と海の青どちらにも染まらない無色透明な風が石畳の道を吹き渡る海の匂いを乗せレモンの香りを摘み採りながら迷路の道を吹き渡る名残惜しげに窓々を撫でつけレースのカーテンを揺らして吹き渡る海辺を愛した魂は空と海を分かつ遠い遠い水平線の白い光の中へ還ってゆくのだろうそこは夕べの黄色い太陽が青い波に溶けながら魔法のように沈む場所