真夜中の風景

 

山間の家々は寝静まり
白い灯りがポツポツと
暗がりに点っている

大雨の後の霧雲が
神話の生き物のように
山をゆっくりと横断して
中腹の灯りを滲ませている

ひとつひとつの命が
息づいているとはいえ
地上に散りばめられた
綺羅やかな星々は
もはや幻想だ

無辺の宇宙を背景に
真夜中の幻を鑑賞する
ひととき

いとおしい町が
静かに眠っている