緑の星座列車

 

緑色の彗星が
秋にやって来る

おおぐま座
りょうけん座
うしかい座
そして
へび座を通り

北斗七星を
横に見ながら
緑の星座列車は
天の線路を行く

地球に近づくにつれ
列車の小窓には
金の灯がともり
車体が明るく光りだす

闇深い夜空の
久遠の彼方から
何かを乗せて
やって来る

地上に佇んで
毎晩見上げる
誰かのもとへ

それが
禍(わざわい)なのか
歓びなのか

誰も知らない