もどってきた朝

 

南国ブルーの額縁の中
まことのシアンの空を背に
すっくと立ったネコ

むかしは
黒ネコだったけれど
いまや
赤やら緑やらの
水玉模様
尻尾は七色
顔はマルチカラー

春の庭には
数えきれないほどの
チューリップ

小さな家が連なった
朝と昼と夜の
街並みをまたぎ

太陽と月と虹を
引き連れて
静かに
佇んでいる


つきものが落ちたように
突然身が軽くなった朝

ひときわ鮮やかに見えた
リトグラフの景色を
隅々まで眺めていると

「もどってきたにゃー」

わたしの中のクロコがささやいた