おぼろげな世界

 

静かに夜が降りてきた

山がシルエットになり
山間(やまあい)に白い灯が点る

青い冷気が夜空を漂い
月と星が銀色に光る

ここは宇宙の真ん中

過ぎ去った一日は
もはや遠い過去
時間は意味を失い
世界も意味を失う

夜に沈んでいた月が
色づき始めると
ふたたび時は刻まれ
違う世界が
おぼろげに
姿をあらわす