季語:立冬(りっとう)

 

立冬や灯ともる病棟背に駅へ  りっとうやひともるびょうとうせにえきへ


初冬の季語。

立冬ともなると日も短い
もう少し一緒にいて
おしゃべりなどしたいと思っても
窓の外の空の色が暮れなずむと
何となく落ち着かなくなる

長居は負担にならないか
思いのほか元気な顔が見れたので良しとするか
と腰を上げる


振り返ると
夕暮れ空を背景に立つ大きな建物
病室はどこかな
見えるかな
と眺めていると
たくさんの窓に明かりが灯り始める

あの人の部屋も明るくなったことだろう

そう思いながら駅を目指す
冬空の下