瑠璃色の夜

 

風が誰かの思いを運んでくる
届けられたのは言葉ではなく
キラキラとした星の音階

クリスタルの小さな粒々が
耳の奥の方で転ったような
痛々しくも嫋々たる音色

悲しみと喜びの間には
迷える影を月が照らす
瑠璃色の緩衝地帯がある

空耳のような囁きが
秋の冷気に消えるころ
月の面(おもて)が冴え冴えと
輝きを増してゆく