季語:鮫(さめ)

 

涅色の暗きより鮫浮上せり  くりいろのくらきよりさめふじょうせり


三冬の季語。

古代よりほとんど身体構造が変わらないと言われるサメ、その特徴を調べてみると…

魚類ではあるが、赤ちゃんを産む胎生のサメもいる
尾びれを左右に動かす(イルカは上下)
エラ蓋のないむき出しのエラが5対
寿命:20~30年(80年以上の鮫もいる)
…北極の氷の下に生息するニシオンデンザメの寿命は、なんと400
遊泳速度:平均速度…約8km/時間、瞬間速度…約30~40km/時間
肌にある多数の孔で微弱電流を感じ取って捕食する


【サメ目撃譚】

モルディブでボートダイビングしていたときのこと
ドロップオフの暗い崖を背景にしてズラリと勢ぞろいしたサメたちに遭遇したことがある。
距離がやや離れていたこと、インストラクターが大丈夫とハンドシグナルしてくれたことなどあり、
それほどテンパることはなかったが、稀なる光景を目にしたものだと今更ながら思う。
しかしサメの特性をあらためて知ると、少し離れていたとはいえ、瞬間速度で向かって来られたら
どうなってたの?などと思ったり。

沖合の深いところでなくてもサメはいて…
リーフでシュノーケリングしていたとき、突然目の前にサメが出現した。
多分小さな子ザメだったと思うが、水中では大きく近くに見えて、これはさすがにテンパった。
あわてて方向転換、岸を目指したが…

夕食の時、現地の人にその話をすると
「ここのサメはエサがたくさんあるから人間を襲わない」
「でも、あまりパシャパシャするとカメと間違えられて危ない」
と言われたのだった。

ちなみに、鮫が冬の季語である所以は冬の美味だからということらしい。