蝶の色

 

公園の真ん中に
樫の老木が三本
それぞれが
枝葉を広げ
二連のブランコと
ゾウのすべり台に
影を落とす

誰かが遊んでいた
気配もなく
カラスも鳴かない
日暮れ前の
ひととき

懐かしさのカケラを
運んでくる風とともに
この静粛な場所を
通り過ぎようとしたとき

西日がキラめいて

その黄色い陽が
山に沈むまで
遊んでいたのは
遠いむかしの
子どもたち

そのなかに
私がいた