公園の真ん中に樫の老木が三本それぞれが枝葉を広げ二連のブランコとゾウのすべり台に影を落とす誰かが遊んでいた気配もなくカラスも鳴かない日暮れ前のひととき懐かしさのカケラを運んでくる風とともにこの静粛な場所を通り過ぎようとしたとき西日がキラめいてその黄色い陽が山に沈むまで遊んでいたのは遠いむかしの子どもたちそのなかに私がいた