少女の詩界

 

この花の少女は
神のような存在を
頭上にいただき
光と影の狭間で
自在に花を咲かせる

生まれたての花は
すべての光を
内包して
清らかに白い

光とともに生まれる
影の花は
全ての色を内包し
宇宙の闇に溶けてゆく

花は絶え間なく
生まれ続け
宙に遊び
色に染まってゆく


純白の花が
赤味を帯び
やがて
桜色に変わるとき

花の世界の外側に
焦点を定めた少女は
自然と呼ばれる
神の化身に
恋をする

桜はいよいよ
蕾を膨らませて
春を呼び
少女の詩界に入ろうと
競うように
開花する