鉢植の陰に置いた小皿が鳴っている二羽のすずめがパン屑をつつくどこからかやって来てどこかへ帰ってゆく一年余りの命とは四季を一回りして少しだけ余生を楽しんでサヨナラか季節を幾度も重ねる人間は桜を毎年楽しめると思っているけれど一度しかない季節って切実で美しいのだろうな二度とは見られない花 空 風 雪切ないほど美しいのだろうな春の日向に現(うつつ)を過ごす人間には野生の四季は潔い