鷹が翔ける空

 

をいだく藍色の下
月白(げっぱく)の僧院が密集する
石塊(いしくれ)の山に
祈りの数の窓が灯る

朝雲光る空の色
岩峰の上空をすべる鳥の影
鷹のオレンジ色の眼が光る

窓々を吹き抜ける読経の風
音符のように鈴の音が乗る

赤土色の法衣が並んで
春の谷間で葉っぱを摘む
夕餉の一汁は
小かぶのスープ

伽羅色の岩山の間から
沸き上がる雲の白さ
天の高さ
青の深さ

チベットの僧院の空
一羽の鷹とともに
悠々と天翔ける