天使の墓所

 

金色の西陽が落ちる森の奥
天使が集めた魂を
精緻に刻んだ石が建つ
光と影の場所がある

羽を広げて唄うのは
揺りかごのように優しくて
夜河のように静かな歌

天使の御歌に誘われて
羽ばたき舞い飛ぶ鳥たちは
石の闇から放たれた
齢(よわい)をもたぬ魂の
光を求める仮の相

天使の歌は無限旋律
風にのり
ときにピアノ
ときにピアニッシモ

薔薇が聞き耳を立てて
香しく開くとき

降る陽は
聖なる色を帯びる