しくしくと降り続いた雨が止んだ白練色の雲が大きな龍に従うように山腹を横切った山間の家々が霧の向こうに閉じ込められた雲が山を覆い隠すと灰白の空に逢魔国(おうまがくに)に属する見知らぬ景色が現れるここではないどこか紗の国の色合いそれは夜が訪れる前の薄墨色の空にやがて溶け失せてゆく時わすれの景色