鳥よ

 

灰色の墓標群
そう見えるのだろうか
この街は
風を切る鳥よ

地上に生きる人間は
限りなく小さく
空は限りなく広い

天と地の狭間に吹く風を
からだに感じながら
風を切る鳥よ

自由の軽さ
存在の軽さ
命の軽さ

羽根のように軽く
花弁(はなびら)のように軽く

軽やかに空を舞う鳥よ