たとえば真っ暗な宇宙に放り出されたらそこはすべての色を包含した億千万の色の海手当たり次第に色名をつけてゆけば終わることなく宇宙を彷徨うことになるあの日の空の青かの日の空の蒼あの日の花の赤かの日の花の|紅《あか》うつろう色かがよう光色彩の幻野はおそろしいほど広くとけてしまいそうに美しい亜空間の囚われ人はつきることのない色に呼び名をつけ続ける新しく生まれた星が死んでもなお天罰のように道楽のように永遠に