季語:空蝉(うつせみ)

 

空蝉や「空」の哲学ひとしきり  うつせみやくうのてつがくひとしきり


晩夏の季語。

空蝉と言えば、
衣だけ残して源氏の君をふった所作が上品な女性。
この帖で 源氏の君は、顔立ちが美しくてもガサツな女人より
地味な風貌でも品のある人の方が好みだなどと独りごつ。
これは、つまり作者紫式部の考えの投影ではあるけれど。

また、空蝉と言えば、
色即是空という言葉が浮かぶ。
目の前にある色彩豊かなこの現実世界が、実は「空」?
脳内のスクリーンに映し出されたものを見ているにすぎないから?
しばし、沈黙。

そして「空」って何なんだろうと改めて考えたりする。