わたしは言葉

 

太陽の命と
月の詩篇が
満ち引きを繰り返す
言の葉の葉脈

ときには誰かを傷つけ
ときには誰かを癒し
一片の葉は
唯識の海へと
流れつく

海は豊饒
悪しきものも
善きものも
撹拌して
空に消え
波音だけが残る

星色が密かに変わり
余韻だけが耳奥でざわめく
静かな夜に
ふたたび
輪廻する

わたしは言葉