冷えきった空気を震わせて遠吠えが聞こえたような夕暮れ空は限りなく透明の藍色で突然姿を現した満月は鏡のように悲しみを反射する百年前に絶滅したニホンオオカミは夜気に耳を澄ませ月に跳ね返された自分の遠吠えを聞いている満月の色はいよいよ冷たく氷のように透きとおった光でオオカミの輪郭を銀色に縁取っている天を仰ぐオオカミと黄泉の国の色をした月このうえなく孤独でありこのうえなく調和した一幅の絵のようだ▶2024年の「ウルフムーン」は1月26日