夕暮れストライプ

 

薄紅色の雲が
暮れなずむ
灰色ブルーの空に
幾筋も流れると

夕日が
プロジェクションする
壮大な縞模様が
空に広がる

このひとときに
巡り合えたなら
ただ鑑賞するのみ

ビーナスベルトの艶色を
風が散らしてしまうまで

去来する思考は

見えている
地には向かわず
ひたすら
見えない天に向かう

気づけば
空を眺めていたはずが
いつの間にか
幻を眺めている

目に見える空は一面
紅掛空色(べにかけそらいろ)
紅かった気配だけが
残っている