Top>一般ログ>02年10月 |
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更新リスト | |
2002/10/02 | 角度の問題 |
2002/10/04 | 正解者と報告 |
2002/10/05 | アクセス解析 |
2002/10/06 | 未来予想図 |
2002/10/07 | 雑学文化 |
2002/10/08 | 若きウェルテルの悩み |
2002/10/09 | 2ちゃんねらーへの道 |
2002/10/10 | Magicofanumber |
2002/10/11 | 沸騰とは冷ますこと |
2002/10/14 | 惰性の罠 |
2002/10/16 | 灯台下暗し |
2002/10/17 | 柔軟な意味づけ |
2002/10/18 | 謎のアクセス |
2002/10/19 | 使い勝手というもの |
2002/10/24 | 大学の文化祭 |
2002/10/26 | 01.時間とは何か |
2002/10/26 | ついに解答発表 |
2002/10/27 | 02.自転から学べ |
2002/10/28 | 03.鏡の不思議 |
2002/10/28 | 死闘 |
2002/10/29 | 04.予測しすぎ |
2002/10/30 | 05.ロボット大作戦 |
2002/10/31 | 06.幽霊怖い |
2002/10/31 | 明日は6時半起き〜 |
問題です。 ABCは二等辺三角形である。Xの角度を求めよ。 通常の解き方をされてもかまいませんし、コネクションの全てを駆使して解いてみてくださっても構いません。コネも実力のうちですから。 解答の方法も、お任せしたいと思います。 正解の条件ですが、分度器を使うと一瞬で答えがでてしまい、面白くありません。ここでは、与えられた条件と、紙と鉛筆と、それから頭を使ってできた答えのみを正解の最低条件としておきます。 (束縛にしかならないヒント) 初等幾何で解けます。具体的には中学3年生レベル。 「角度ではなく、解き方の」正解者が三人出たら正解を発表しようと思います。 |
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正解者1キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!! しかも僕の用意していた解法よりも数段エレガントにして、無茶な発想の飛躍を要求しない解き方です。何か僕、完敗じゃないですか。まぁ最初に解くとしたらこの方かなぁとは思ってましたけど、わずか5時間で解かれちゃうなんてねぇ。というか僕の用意していた答えはあんまり無茶な飛躍を繰り返すから答えを説明する日が来るなんて思いもしなかったというか、実際ブーイングの来そうな答えと指摘されたというか(ブチブチ。 んーまぁ! というわけで、正解者は現在1。後の二人は現れるのでしょうか。一人いたということは後に続く人もいるはずですよね?乞うご期待ですっ(主に僕が)! あと、ドッキリ期間は今日で終了。明日からはさらにリニューアルしたHALになります。 (リニューアルしました) ※急に解答が続々と送られてキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!! 角度問題は正誤処理が大変〜(←嬉しい悲鳴 |
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こんばんは、リニュしましたよ。咲村です。で、例の問題ですが、今の所、依然正解者は1のままです。ふふふ。結構ドキドキですよ、近いうちに正解者が出そうな気がしてなりません。ドッキドキです。故にヒントは出しませんというか出せません。頑張れ〜! ところで今回のリニューアルなんですが、実は久しぶりにアクセス解析を復活させようと思い立ったんです。それで、google使って結構調べたんですが、ほんと色んなアクセス解析がありますよね。すごく優秀なものから、デザイン性に優れたものまで。デザイン上、無料CGIでも広告のいらない自分で設置できるものを選ぶことにしましたが、それでもまだ残りました。個人的に目移りが激しいのでどちらを選ぶか迷います。 んと、とりあえず、ご紹介しましょう。 一つはat works さんのaccess cgi もう一つはfutomiさんの高機能アクセス解析 どちらも重複する部分はあるものの、幾つかの違いがあるんです。イメージで言えば、前者は秒単位でどんな人が来たかを調べる事ができる、対個人のアクセス解析。もう一つはダイナミックな、グループを把握する感じの解析。これは、海外からは何人、どこどこからは何人来た、という本当の意味での分析ですね。 さてさて、どちらをつけましょうか。非常に便利。かつ、どちらも面白いのです。うーん、困りました。困りました。しかし、賽は投げられた、ブルータスお前もか。そして天啓が訪れた。そうだ、2つどっちも付けちゃえ。 今後ともアクセス解析が2つ存在するHALをよろしく。 |
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ところで最近僕が不思議に思うのは、電車における女性専用車両についてです。あれはあれですよね。男性が女性に痴漢を働くのを防ぐために女性しか乗れない車両を用意するってことですよね。 でもよく考えると女性専用車両に100%の女性が乗るということは、他の一般車両では必然的に男性の割合が高くなって、結局、普通車両に乗ってしまった女性の肩身が狭くなったりはしないのでしょうか。女性の8割が支持されてるということですし、偉い学者さんとかもちゃんと考えた上で実行されてると思いますからその点はあまり心配はしてないですが、むしろ少々別の点で疑問が。 男性が男性に痴漢する場合や、女性が女性に痴漢をする場合、これって防げるのかなぁと。そりゃあ男性→女性への痴漢に比べたら、今の所確かに微々たるものだとは思いますが、環境は人間を変えることもないとは言い切れないのではないでしょうか。生憎僕は男子校を経験した事が無いのですが、聞くところによると男子校では男子校なのに何故か校内に出会いフラグが立ってたりするとか。 他にも禁欲生活を守る昔のお坊様が、女性が周りにいないならということで近くにいた若い坊主に手を出したとか、昔の武将が周囲に女性がいないからという理由で小姓を用意したとか。織田信長と森蘭丸の有名な関係とかもありますしね。 存在しようとする現象は、それ自体を壊しても無駄だと思われます。水の流れを堰き止めてもいずれは溢れ出します。水の迸るホースの先をどれほど押さえてもいずれは吹き出します。ザリガニは食べ物が無いなら共食いするのです。 男だらけの列車に乗った痴漢親父の次の捌け口は一体何処かってことを考えると、何とまぁ空恐ろしいではありませんか。 |
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今KOKIAにはまっています。KOKIAって誰なんでしょうね?何やら聞いていて凄いのですがあまり名前は聞かない。今現在KOKIAを聞きまくっていますこんばんは咲村です。一体彼女は何者なのでしょうか、誰か探して教えて下さい(←自分では面倒なのでやる気無し)。 さてさて皆さんは有名人に会われた事がありますでしょうか?残念ながら僕は無いのですが、テレビなどを見ているとその時ついでにサイン色紙にサインを貰ったりすることが多いみたいですね。サイン色紙ってあの白い厚紙を金色の折り紙で包んだようなやつで、実物は見たことが無くても皆さんお馴染みなのではないでしょうか。サインください!と、色紙の、こう、自分に近いほうの二角に両手を分配して掴み、相手に差し出す。頭を下げて勢い能く。イメージとしてはプールで使ったビート板みたいですが、そうあれです。 あれの表って、実は黄金の方なんですよ。ご存知でした?良く白い面に有名人の方がサラサラと筆記される場面がありますけど、あれは裏に書いてるんです。何故なら自分はまだそんな金色の面に書けるほど立派な人間じゃない、裏で勘弁してください、という意味なんですね。つまり形式としてはサインをお願いする人が黄金の面を上にして差し出し、書き手が裏に書くというのが本来だった、ということになりますでしょうか。最初から白い面を上にして出しては失礼に当るわけです。なるほどねっ!意外に知られていない雑学コーナーでした☆ と終わるのが楽なんですが、ちょっとお待ちあれ。じゃあこれ知った人はどうすれば良いんだろうね?色のあるほうを上にして出せばよいという簡単な話じゃないのは解かります。だって、有名人の方がその由来を知らなければ、何て変わった奴、とか、失礼な奴と思われかねません。あまり一般的でない礼儀やらマナーというのは、むしろ受け取る方の知識が肝心なんです。もちろん相手の頭の中を水槽の金魚を見つめるように見ることができるならば、そりゃあ楽ですけど、そんな都合の良い世の中ではありません。実際は現状の知名度の高い方を取るべきなんでしょうね。巧く世渡りをするためには。 文化というのは流動的に常に変化しつづけてゆきます。それが例え何らかの意味があってする行動であったとしても、その意味を確認する作業が常に行われなければ、その意味はいずれ廃れてゆくのです。神社で願掛けをする際の、両手を叩く習慣の意味は何でしょうか?その叩く回数の意味や、それをしてはいけない場所とは?そんなことを知っている人や考えてる人なんて普通いません。お願いしますという意味としての役割と、その動作さえがあれば本来の意味なんて必要ないのです。それこそが儀式として今度は動作から意味が発生する瞬間といえるでしょう。 儀式が「形」を重んじるのはこのためです。意味が失われた後、行動の持つその意味の効果を無くさないために行動を頑なに保持する。そして時間の流れは、さらにその(形骸化した)行動に新な理由付けを行っていく。 意味がある形から、意味が失われた形になり、形に別の意味がくっ付けられてゆく。文化が変遷する理由はそこにあります。 逆に言えば、行動の意味が常に保たれる文化や、行動に新しい意味付けを行わない文化はつまり変遷しにくいのです。 ここでもう一度逆転させましょう。 解かりますか。つまり行動の意味を常に保たれない文化や、行動に新しい意味付けを行う文化は変遷しやすいのです。匿名で行動を残しては去っていくことのできる集団や、反射的な言動を許容できる集団、ある行動について意見や説明付けを行える集団。逆説的に、それこそが最速の文化変化率を持つ集団だといえるわけです。 非常に時間の流れの早い文化。 個人的に2ちゃんねるは文化研究のテーマとして非常に興味深いと思うのですが、さて、誰かやってくれる人はいませんか(←自分では面倒なのでやる気なし)。 |
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こんばんは、咲村です。 先月は試験勉強のためにバイトを休んでいた僕ですが、そろそろ再開しようと目論んでいるんですよ。何しろ気が向けば(主に関係の無い)本を買う毎日。といってもそれほど沢山買ったというわけではないのですけどね。一冊あたりの単価が冗談みたいに高くって。一冊6800円ですよ?信じられますか?おかげさまで沢山ためておいた銀行預金が次々と削岩機が岩を削り取るが如く失われていく様は見ていて爽快でしたよ。 しかしまぁ僕は計画的な行動をモットーとする人間。次のバイトまでの間の資金を残す事には余念が無かったわけです。そしてバイトが決定して来週から働くという時点で残したお金はちょうど1万円! 完璧です・・。 確かに若干少ない気もしないでもないですが、倹約すればちょうど生き抜くことのできるレベル。そして1万円というきりのよさ。持ち運びの利便性。何というか、自らの計画能力に脱帽です。もうビックリです。ビックリしました。なけなしのその一万円札を本屋で落とすなんて。 えっと。どうやって残り1ヶ月生き抜きましょうね? |
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今日の授業は友達も来てなかったし授業もつまらなかったのでお暇でしたこんばんは咲村です。 いつもなら寝るんですけどね。今日は授業の途中の居眠りで寝違えてしまってそれ以上は寝れなかったというか。何か首が痛いです。いや、それはさておき。 授業の暇を潰すのは誰であろうともちろん、本を読むか、寝るか、ラクガキをするかのいずれかだと思うのですが、僕としては本もちょうどなかった事ですし今日は意気揚々とラクガキをチョイス。 ○だの△だのの幾何学模様を飽きるほど書いては消した後、ふと思ったんです。アスキーアートに挑戦してみてはどうだろうか、と。アスキーアート、通称AAは、普通の文字の並びを絵に見せる、2ちゃんねる独特の文化。 おにぎりワッショイ!! \\ おにぎりワッショイ!! // + + \\ おにぎりワッショイ!!/+ + . + /■\ /■\ /■\ + ( ´∀`∩(´∀`∩)( ´ー`) + (( (つ ノ(つ 丿(つ つ )) + ヽ ( ノ ( ノ ) ) ) (_)し' し(_) (_)_) これはオニギリワッショイと呼ばれるAAで、頭部がオニギリのようなものでできている人たちが踊っている様子を示します。そう、こういうAAを手書きでやってみようというのです。そう、その瞬間から僕はもう2ちゃんねらーだといえるでしょう。よぉし。思いっきり書いてやるぞっ!。 しかし、だからこそ周囲には慎重に気を配らなければなりません。先生から見たら限りなく挙動不審でしょうが、この際それは構いません。大切なのは周囲にばれない事。僕は慎重に、緊張しながら、それを綴り始めました・・・。 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!! ↑か、書いてしまいました。単純なアスキーアートですがこれで僕も今日から2ちゃんねらーです。バンザーイバンザーイ。 でも2ちゃんねるには怖いので行きません。 |
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近頃めっきり寒くなりましたね。いい加減毛布一枚だと凍えるようになってきましたよこんばんは、咲村です。 今日は何故か1ヶ月前の日経サイエンスを呼んでいたのですが、そのトピックスの中に面白い記事を見つけました。 カリフォルニア大学の研究者が調査したらしいのですが、多くの有名な医学誌に発表される論文のうち、なんと98%が相対的なリスク軽減効果ばかり示して、絶対的なリスク軽減効果を示した論文は殆どなかったという結果が出たそうなんです。 ・・・えっと、何か解かりにくいので例を引きますと、例えば治療によって絶対的な、つまり割合的なリスクが4%から1%に減ったとき、「相対的なリスクが75%減退した」と説明するそうなのです。 なるほどこれなら物凄く効果が出ているように見えますもんね。同じことをいっていても結構印象は違うでしょう? これが数字の魔術というやつなのです。おお、実生活で役立ちそうだ。 そこで僕も数字の魔術を少しだけ考えてみました。 ・お金を1万円落として無一文になった→お金を100%落とした。 ・無一文だけど机の引出しから100円玉を見つけた→お金を100%見つけた。 ・・・・・・・・おぉ(泣。 |
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はい今は物理学に凝ってますよ咲村ですこんばんは。相変わらず無節操な気もしないでもないですがそれは気にしない。物理といってもすごく基本的なことなんですよ。薬学部の友達の教科書をせっかく読んだのにさっぱり解からなかったのが残念だったので、ちょっとだけ勉強してみることにしました。今はエネルギーやってます。 ははぁ、沸騰とは冷却のことだったんですね。100℃以上に水の温度があがらないのは、沸騰して蒸発して水の温度が低下することと、火の加熱による温度上昇が綱引きしている状態が保たれるかららしいです。確かにそうですよね。何千度の火で温めつづけてるのに100℃で留まるのはおかしいと思ってたんです。なるほど。 でもって沸騰の時に底にできる気泡は、水の圧力+大気圧を上回る圧力の時に発生してはじけるらしいんです。富士山の頂上だと沸点が低いのはこのためらしいんですね。つまり大気圧が低い。 真空状態だとつまり余計な大気圧がかからないわけですから、その中の水は特に何もしなくても沸騰するらしいんです。ちゃんとした真空なら0℃の水でも凍りながら沸騰するとか。冷凍乾燥コーヒーもこの原理を使っているみたいですね。 逆に圧力鍋なんかは強烈な圧力をかけて沸騰を制限しているから中が凄く高温になって調理がはかどるらしい。物理ってすごいですね、家庭科みたい。 人間の感情、特に怒りやすい人が、自らを称して『沸点が低い』と表現することがありますが、これは中々いい得て妙だと思います。加熱されてそのままだとストレスという名の温度がどんどん上がっていって、そのうち身体を壊してしまいますもんね。適度に怒って温度を下げた方がよほど良いと思います。 逆に少ししかストレスが溜まってないのに、沸点下げて無闇に怒ってばかりというのもダメですよね。ブクブク怒っている間に、周りからの信用がなくなって。気が付けば凍ってしまって、結局身動きが取れなくなってしまった、なんて笑い話にもならないんですから。 |
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あるテーマに対して沢山の人が作った作品を蒐集編集するという作業は、玉石混合になるがゆえに、それら全てに目を通す人にいずれ飽きが来てしまうという罠があります。 こんばんは咲村です。 お題に対するボケもそうですし、それは絵画であれ音楽であれ、サイトであれ同じことが言えると思います。 どんなものにしたって、たまに見るのは面白いんですよね。 すばらしい機知を見つけたり、意外な視点を味わったり。 いってみればその作品の色合いを楽しむことができるわけですから。 しかし、連続して大量にそれらを見なければ行けない場合、その基準は面白いか面白く無いかだけの一元的なものになってしまうという欠点があります。これは人間の作業の効率という点からも、経験による般化の面でも不可抗力のものではあるんですけどね。もちろんそれでも面白いのは見つかるのですが、一元的な基準の場合同じレベルの面白さは同じレベルの面白さとして認識され、個性が否応無く薄れてしまうという結果を招き寄せてしまいます。特に一度見て以降、その作品との接触を考えない場合、その程度は顕著になります。 もちろんそれ自体は悪い事ではないのですが、しかしそこから副次的に発生する飽きについてはそうもいえません。 80の面白さを見て面白いと思っても、次に80の面白さを見たときにその感動は大きく減退してしまうからなんです。大好物の食べ物が1週間連続で食卓に並んだときの感動に似ている気がします。これはたまに見る場合は発生しない現象ですよね。何故なら例えそれが70の面白さであっても、それ以外の個性や雰囲気といったその他の要素が絡んできて、それ以外のものとの比較が困難になるからなんです。これは面白さの対比ではなく、それ自体の価値を勘定している状態ですね。面白さという言葉を美味しさという言葉に代えれば料理にも同じことがいえるでしょう。 ものごとを永続的に続けたい場合、そのあたりを考慮すると巧く行くことがあるかもしれません。 それにしても英単語を覚えるときの最初の新鮮な面白さはどこへ。←惰性で単語の勉強してる人 |
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「僕は、自分の部屋で無くした眼鏡を探しに旅に出ようと思う」 「自分の部屋をもっと探せよ」 |
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小説60ページほど書いて挫折しました咲村ですこんばんは。もっかい最初からトライしてみるか。 えっと、あまり見てなかったのですが、今日はテレビの番組で日本人の常識についての番組をしてたみたいですね。といっても内容は常識問題を一般人100人が回答して、その標準偏差から芸能人の常識レベルを計るというもの。ご存知でしょうか。よくあるクイズ形式でしたけど。 それはそれでまぁ普通のダメ番組っぽくて良かったのですが、何やら問題発表の前にその100人の答えは日本人の常識レベルに極めて近い、とか何とかいってたような気がしたんですよ。聞き違いでしょうか。もしそうならどういう理由でそういえるのか微妙に気になりますよね。だって100人って少ないですよ。小学校3クラス分なんて、何のサンプルにもならないと思いますし。 日本人の常識レベルを調べたいなら、文化的なばらつきを防ぐために最低(各年齢100人×各地域)程度の人数は必要かと思います。そうだなぁ。1万人くらいでちょうど良いくらいでしょうか。悉皆調査をしろなんてとてもいえませんけど、テレビ局なら手抜きはダメです。 そうだ、そうだ。 常識と文化で思い出しましたが、文化はじわじわと変動を遂げるのが一般的です。噂話ってありますよね。人の噂も四十九日だっけ?なんか違う気がしますけど、そうやって生まれて廃れてゆくのは人が密集してるほど早いんです。つまり人の多い都市部とかですね。先の常識調査でも地域ごとの常識差を調べるのが重要だと書いたのはそれゆえです。辺境と都市部の常識の浸透度は違う。最近はテレビやラジオ、インターネットによる情報交換の手段が増えましたが、電化製品の少ない地域なら文化変遷について同じようなことがいえるでしょう。 社会心理学に異文化間屈折というものがあります。これは、ある文化に存在するものが、突然形だけ別の文化に放り込まれたために別の意味合いが発生してしまう現象のことで、そうだなぁ。例えばパソコンを全く知らない村人にパソコンを渡すと意外に漬物石に便利な事が解かったので、村人の間にパソコン=漬物石としての使い方が普及する、みたいな感じでしょうか。 これ、英語が日本に入ってくるときにも起こったりしたんですよ。例えばスマートという言葉を聞くと、日本人は「ほっそりしてスタイルが良い」という意味で受け取りますが、英語ではむしろ「かしこい・明るい」とか沢山の意味があって、ほっそりしているという意味ではあまり使われないそうです。 この異文化間屈折で一番笑えたのは日本の小型洗濯機。これ、アラブ首長国連邦のドバイではヨーグルト製造機として使われてるそうです。牛乳その他の材料を洗濯機に流し込んで攪拌すると、排水ホースの先からヨーグルトが出てくるとか。 想像すると、実に笑えて来ます。確かに、ヨーグルトを作れますもんね。こういう風に発想の転換、というか、知らない故に自由な発想が出来るというのはすごく羨ましく思います。 そう考えてみると不思議なものがあって、それが何か、どう使おうか、と考えて出された答えにそれほどの優劣はないのかもしれませんね。普段身近なものでも、改めてそういう風に無心に見てみると面白い世界が見えてくるかも知れませんよ。 と、今日はコラムっぽくまとめてみたり。 |
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実はさきほど僕、アクセス解析を覗いていたんですがどーも微妙なところからアクセスがあったようなんです。 内約はまず非営利団体からのアクセスが2回、北米4年制大学1回。で、ココス (キーリング) 諸島からのアクセスが1回、米国政府機関からのアクセスが1回でした。 (;´Д`) HALですらこれなんだから、大きいサイトの方とか色んなドキドキと戦ってるんだろうなぁと思ったこのごろ。 |
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小説をメモ帳に書いていたのですが、ちょうど「そして闘いがはじまっ」の部分でメモリが足りなくてメモ帳じゃ保存できなくなっちゃいました。ワードパッドなら問題無いんですけどね。けどね。何か後一文字くらい、って思って黄昏るわけですこんばんは、咲村です。 HALのレイアウトといえば、色々微妙にリアクションがあったりなかったりで嬉しい限りなんですよね。こんなサイトをお褒めくださった方々、本当にありがとう御座います。心から喜んでますよ。 ということで今日はHALの裏コンセプトでもご紹介しましょう。 さても多くのサイトでいわれていることですが、サイトの良さというものは内容が筆頭に来ます。どれだけ繕おうとも、内容が閲覧者の興味を引くものでなければ最終的に閲覧者の方は去ってしまいます。 それではその次に大切なのは何でしょうか。 それはサイトデザイン。そのうち最初のインパクトとじわじわと効果を発揮してくるユーザビリティというが特に大切だと思われます。 それではユーザビリティとは何でしょうか。 ユーザビリティとは英語でUsabilityと表記し『使用に向く、使うのに便利な』という意味があるそうです。さらにISO9241−11での定義においては 特定の利用状況において、特定のユーザーによって、ある製品が、指定された目標を達成するために用いられる際の、有効さ、効率、ユーザーの満足度の度合い。 ということらしいです。解かりやすい定義ですよね。端的にいえばUsabilityが満たされてる状態とは、特定のユーザを満足させている状態ということになるでしょうか。そう。特定のユーザを満足させれば良いのです。 この特定のユーザというの、HALでは独断的に僕だと定義しましょう。しますっ。 使いやすさにおいて最高に僕を満足させるサイト。 HALはユーザビリティが最高のサイトですヨーソロー!! とまぁ主観的な評価はさておき、HALではどんなファイルへも最大三クリックすれば届くようになっていますので、そこそこには使いやすいことかと思います。ついでに管理人としてもファイル管理が楽なように、更新のたびにコピペ、保存のたびにコピペ、といった手間を最小限に減らし、究極的にログ部分をトップページに持ってくるという荒業をとりましたので、面倒くさがりの僕としてはとても居心地がいいわけです。 こりゃ楽チンだ、ケッケッケ( ^ー゜)b |
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例の問題三人目の正解者出タ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!! のっぽ ゴン太郎さんおめでとうございます!夢に見るまで悩んでくださったなんて出題者冥利に尽きます!うわぁ、これで正解者三人出てしまいましたね。ついに解答発表ですか。うーむ。ではでは、それは次にまとめて発表したいと思います〜。それまでに解けた方も遠慮せずにドウゾ送ってくださいね。更新までは回答は有効ですゆえ♪ ところで僕は大学四年生。いよいよ最後の年の文化祭が近付いてきました。今まではクラブの取材やら屋台でおよそ学生らしいといえる楽しみ方をしてこなかったわけですが、クラブを引退した今年こそ!今年こそは色んなイベントをチェックしたり、色んな大学を回ったりするぞーっ、おーっ!! と決断した次の日くらいにクラブの後輩から電話がかかってきて、異常な人員不足のために四年生も取材&屋台強制参加らしいです。 |
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「博士博士、時間って何ですか?」 「例によって突然だね。何でまた急に?しかも時間については以前話した気がするけど」 「あははー、実はアクセス解析覗いてたら、不思議な事に、Reportの『時間とは何か』というコンテンツに人気が集中してたんですよー」 「それはあれだ、哲学的な好奇心で検索する人の多さと、ログを漁る人は手始めに一番最初のテーマからみようとするという二つの理由が原因となっているんだろうきっと」 「ですよね、でも見返すとちょっと解かりづらいなぁって最近思ったんですよ」 「まぁ…そもそもが昔の事で、書いた動機も半分以上が冗談だからね」 「そうそう。でも意外に見られている以上、今のままじゃあ拙いのでちょっと手を加えようかなと思ってたわけです」 「なるほどねぇ。それじゃあメタな話はさておいて、時間とは何かについて改めて話していこうか」 「わっかりましたー」 「そうだね、まず、時間っていうと君は何だと思う?」 「時の流れのことじゃないですか?」 「それじゃあそのまますぎる。時という単語は時間という概念を文字に書き落としたものでしかない。結局時間について何も説明できてないよ」 「あ、そうか。でもそれ以外に、説明できないんですけど…。じゃあ、カレンダーとかで数える事のできるもの?」 「カレンダーは、時間を数えている物差しの一つだね。でも時間のことを、カレンダーで数える事ができるものと説明するのは本末転倒だよ。『米』を『軽量カップですくえるもの』と説明するくらい変だ」 「うーん、やっぱり解かりません」 「そもそも時間は二つに分けられる」 「二つ…はっ!もしかして時と間ですか」 「それは文字を二つに分けただけだろ!!」 「いってみただけです。二つとは、一体何と何でしょう」 「考えればすぐにわかる。それは物理的な時間と体感的な時間だ!!」 「物理的な時間!?物理的な時間、物理的な時間…そっか、時間には質量があったんですね!!」 「その通り!物理的な時間というのは光速度で移動するのだ!!」 「おお!」 「例えば太陽から地球に光が届くまでの時間を計測するとどれくらいか解かるかな?」 「えっと、確か何分かかかるんですよね」 「そう。太陽から地球に光が届くまでの時間、それは実に8分20秒だ。これは光の速さと同じだ」 「ほんとだ!!」 「ところで最新の研究でわかったことなのだが、重力も光の速さで進むらしいのだ。そこから考えるに世の中の基本原則と呼ばれるものはすべて光の速度で進むと考えても良いだろう」 「なるほど、解かりやすいですね」 「うむ!厳密にいうと、時間とは『物質が移動できる可能性』と言い換えることができる」 「物質が移動できる可能性?」 「そう。あらゆる物質を構成する、原子やら電子やら光子やらが移動できる可能性、と言い換えても良い。光が移動できる量を最大と考えて、全ての物質に均等に与えられた『移動できる可能性』だ」 「ややこしいですねー」 「なぁに簡単だよ。あくまで感覚的につかめればよい。僕が欠伸をするのと、僕が欠伸をしないのと、かかる時間は同じだろう?」 「あぁ、そうか、移動しなくてもいいんですね。筋肉とか」 「そう。そして僕が欠伸をする間、世界の全ての物質は移動し続けるか、移動しつづけないかのいずれかなのだ」 「もしかして物理的な時間っていうのはすっごく概念的なものですか?」 「そりゃそうだ。リンゴだって概念的なものだろう。赤い丸い甘酸っぱいそこそこ重い。何がリンゴの決定因かといえば、それはリンゴの概念だ」 「そういえばそうですね。…つまり、時間っていうのは、ナチュラルに動き続ける世界を、感覚的に捉えたもの、というのが正解でしょうか」 「まさにその通り!!だから時間を停めることは不可能だというのは解かるだろう?『想像で止める』ことはできるけどね」 「空想のお話ですね。時間よ停まれ〜みたいな」 「そうそう。ここのところを勘違いすると、ゼノンのパラドックスにはまることになる」 「ゼノン?何ですそれ」 「アキレスと亀って言う話だよ。アキレスというのはギリシャ神話の英雄ですごく足の速い人なんだけど、走って追いかけても前方にいる亀に絶対に追いつけない、っていう話」 「どうしてですかー。追いつけるんじゃないですか?亀なんて私でも追い越せますよ」 「考えてごらん。アキレスが亀の元いた位置に辿り着くころには、亀は少しは進んでるよね?」 「進んでますね」 「じゃあその進んだ亀のところに、アキレスが辿り着く頃にはどうだろう。やっぱり亀は進んでるんじゃない?」 「進んでますね、そりゃ」 「その進んだ所にアキレスが辿り着く頃には、亀はまた進んでる。無限に続けても、アキレスは亀に追いつけないんだ」 「あ!ほんとだ。どうしてですか!?」 「さっき説明したじゃないか。アキレスが亀の元いた場所に追いつくまでの時間は、やればやるほど縮まっている。最初は5秒かかって追いついたとしても、次に追いつくまでは0.01秒だ。その次に追いつくまでの時間は0.00002秒」 「いわれてみればそうですね」 「そうそう。0.00002秒なんて時間しか許されなけりゃ、そりゃあアキレスも追いつけないよ。それを繰り返して時間を縮めていけば、究極的にはさっきいったのと同じで、アキレスが追いつきそうになったら『頭の中で時間を停める』ってことなって結局追いつけないに決まってる」 「マラソンランナーがゴールのテープに近付けば近付くほどどんどんスローモーションになっていく編集みたいなもんですね」 「そうそう。想像では止まっていても、運動エネルギーをもった実際の物質はナチュラルに動いているんだよ。その事実は不変で、それが時間だっていうことだね。時間は常に流れているんだ。そして、それは当然場所によっても違うし、動いている物質によっても違う」 「なるほど。解かりました!……は。でもおかしいですよ」 「何がかな」 「たしか聞いたところによると、時間っていうのは『物質の速さ』によって進みかたが違うんですよ?ウラシマ効果、でしたっけ。光の速さに近付けば近付くほど、その物質の時間の進み具合は遅くなる、らしいんです」 「おお、良く知ってるね。その通りだ。それは地球上でも実験できる。究極的に精密な時計を二つ用意して時間を合わせるだろう?そのあと片方をエベレスト山頂、もう一つをマリアナ海溝の底に設置して比較すると、徐々に時間にずれが出てくるんだ。これは自転の早さが、中心付近と外周付近では違う事に起因する」 「そうなんですか……すごい。誰がそんな実験をしたんですか」 「さて!さっきもいったとおり時間というのは『物質が移動できる可能性』だ」 「あ、誤魔化しましたね」 「コホン。では頭の中にこれからいうことを思い浮かべてくれたまえ。まずここに二人の人間がいるとする」 「はい」 「二人の間は340メートル離れている。片方がもう片方に話し掛けた場合、かかる時間は何秒?」 「音の速さは、たしか秒速340mでしたよね。だからかかる時間は、一秒です」 「その通り。ではここでリカ君、君に質問しよう。この二人は実は宇宙船に乗っていたのだが、この宇宙船は真空中を光の速さで進んでいたのだ。厳密にいえば秒速29万9725kmで進んでいた事になるね。このときの、進行方向に向かう音の速さはどれくらいだろう。単純計算でいいので考えてみて」 「えっとえっと、秒速29万9725km+340mってことは、合計秒速29万9725.340kmですか?」 「はずれ。この世界では光の速さを超えることはできないので、合計も秒速299725kmだ」 「そんなヘンテコな!!」 「ヘンテコでも何でも、そうなっているのだから仕方無い。ようするに、時間が『物質の移動できる可能性』だとした場合、『光速度の中でさらに何かが動』かないといけなくなるんだから、その中において『物質の移動できる可能性』は自然に増えてるんだ。これはわかるかな」 「うう、確かにそうかもしれないですが」 「たとえ同じ物質でも、光の速さに近い速さで動いているものと、それより遅いものとは『動ける可能性』が違う。つまり時間の流れが違うわけさ」 「何か解かったような。解からないような」 「解かっても解からなくても良いよ。現実的に生きていく上で、物理的な時間など何の意味もない。大切なのは体感する時間だよ」 「そういえばさっきもそんなこといってましたっけ」 「そうそう。考えたら簡単にわかると思うけど、10歳の人間と20歳の人間では一秒に対する感覚が違う」 「え!?そうなんですか?そういえば、年をとるごとに時間が過ぎるのが早いっていいますけど」 「そりゃそうだ。だって10歳の人間にとっての1秒と20歳の人間にとっての1秒は、人生に締める割合が倍も違う。感覚的に違って当然さ」 「解かりました!…ん?ちょっと待ってくださいよ。てことは、生後1秒の赤ちゃんにとっての1秒は私にとっての20年に相当するんですか?」 「その通り!だから何と生後1.5秒の赤ちゃんは君よりも長い人生を生きていることになるのだ!!」 「そうだったんですか、どおりで!!ってそんなわけないじゃないですか!!!」 「くっ、ばれたか」 「ばれたも枯れたもありません!」 「ようするに、体感時間っていうのは思考密度の差だよ」 「思考密度の差?」 「うん。大人になれば、新しく体験することも少ないだろう?だから特定の反応に対するリアクションが固定されている。電車に乗れば本を読む、寝る、みたいにね。つまり、それに対して考える時間がなくなっている」 「うーん、他にも朝起きてトイレ行って手を洗って顔を洗って歯を磨いて…ってすることは固定されてますね」 「そうそう。そうやって思考しない時間っていうのは『得たものがない』ぼんやりとした時間だ。でも若ければ若いほど、そういうことは少ない。電車に乗るという単純な行動だけでも、外をみたり、吊り革にぶら下がったり、踊ったり回ったりしている」 「い、いわれてみれば…」 「つまり、充実しているわけだ。これは解かるかな?」 「解かります。でも、充実している時って、時間が過ぎるの早くありません?」 「そうだよ。『今が楽しいと時間が過ぎるのは早い』んだ。だから逆に君が頻繁に体験してる迷子だって、そのあいだは時間を長く感じるだろう?」 「あん…私が方向音痴だってことばれてますか」 「そういう設定だからね。でも学校の通学路に対しては、時間が長いとも短いとも思わないはず」 「そうですね。でもでも、子供のほうがそういう楽しさが多いんだから、年をとって時間が過ぎるのが早くなった、というのは変ですよ?」 「その通り。だから大切なのは『思い出した時の密度の差』なのだ。子供時代が楽しければ楽しいだけ、振り返ったときに時間が長かった気がする」 「そういうものですか…」 「そうそう。ブランクが増えれば増えるだけ、子供時代と比較して何もやってない、できてないと思ってしまう。だから、時間が過ぎるのが早くなったと思うわけさ。何もしてないわりに、時間ばかり過ぎるわけだからね」 「確かに…」 「他にも体感時間を長くする要因として、その刺激が嫌なものであること、その刺激がいつまで続くか解らないことなどがあげられる。…つまるところ体感時間を延ばすのに一番簡単な方法は、君みたいに一生迷子になりつづければよいのだ!!!」 「解かりました!迷子になれば良いんですね!!」 「頑張ってくれたまえ!昔の哲学者だって人生の迷子だったのだから!!!」 |
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日付が前後しても気にしない気にしないこんばんは咲村です。日経サイエンスでは今回、時間とは何か、という特集をしていたのですが、それによると時間には絶対的な『現在』というものは無いそうです。光速度で運動すればその人は年をとらないのは有名ですが、その状況ではつまり時計の時間も進まない。故に、人によって『現在』は違う。よって絶対的な現在は無い。何がいいたいというかというと、日付なんかこだわらないこだわらないってことですね。 だから昨日二十五日の日付で二十六日放映の番組について書かれてても、それは全然不自然じゃないんです相対性理論によれば。 さぁ例の解答発表です。が。自分で書いてて非常に読みづらい解答になってしまいました。考えながら読めば分かると思うのですが、普通に解答を送ってくれたメールをコピペしたほうが量的にも質的にも簡単というのはどうなんでしょう。これも相対性理論のせいにしていいですか質と量だし。 というわけで解答です(新しく窓が開きます)。
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「博士〜、ヒマです」 「そんなことをいわれてもな。そんなことをいったらみんなヒマだ」 「もー、何か面白い話とかは無いんですか?」 「無い」 「どんなことだっていいですからぁ」 「そうだな、じゃあ地球は自転しているのは知っているかな?」 「知っていますよ。北極点を上から見て反時計回りに回っているんですよね」 「その通り。原始地球がまだマグマばかりでドロドロした塊だったころは、もっと高速で回転していたといわれていて、現在回転は遅くなってきているといわれているが回転方向はずっと同じだ」 「コマみたいなものですね」 「コマみたいなものだ。まぁ人間には体感できない程度の回転なのだが、これは例えば排水溝に流れる水が渦を巻く際に影響を与える」 「どういうことですか?」 「地球上では赤道以外の場所よりも、赤道直下の場所のほうが、宇宙から見て速度が速いだろう?何といっても回転の一番外側だからな。すると、だ。赤道より離れた場所にある円形の渦はどうなるか。なんと速度の速い方向(赤道直下)から速度の遅い方(赤道以外の場所)へ回転運動をはじめることになるのだ。つまり、渦に影響を与えるとはそういうことだな。これをコリオリの力という」 「えーっ!!?じゃあ北半球と南半球では渦の巻が逆なんですか!?」 「その通り!!よく誘拐されたりして現在位置が分らない時があるだろう?そんな時は例えば排水溝に水を流し、あらゆる外部因子を除いた上で渦の巻き方向を見れば、自分が北半球にいるのか南半球にいるのか、たちどころに分ってしまうのだ!!」 「実用的ですね!」 「うむっ。それだけはないぞ。ミクロな視点からだとそれだけだが、マクロな部分に視点を移すと、面白いことが見えてくる。リカくんは台風を知っているかな?」 「知っていますよ。イセワンだとかムロトとか18号とか、ロボットの名前でしょう?」 「そうだ。テレビなどで入れ替わり立ち代り登場する奴らだが、奴らの必殺技は皆、回転方向が一定なのは気付いていたかな?」 「そういえば回転していますよね。確か、反時計回り、だったかな?」 「よく覚えていたな。いかにも反時計回りだ。実はコレも地球の自転が影響している」 「あんな大きなものまで?あんなに大きいと地球の自転なんか関係が無いんじゃないんですか?」 「そんなことはない。渦が大きければ大きいほど、端と端の速度差は大きいだろう。逆に回転の影響も受けやすいのだ。分かったかな」 「分りました!!端と端の速度差の大きいもの・・・例えば太陽系とかもですね!」 「その通り!!太陽系も間違いなく地球の自転の影響を受けている。知っての通り、太陽系の惑星はすべて反時計回りをしているのだ」 「やっぱり!!ということは南半球では、太陽系の惑星は逆周りに!?」 「そうだ。それだけじゃないぞ、赤道直下では太陽系は縦周りになるのだ!!」 「すごい!!」 「というわけで、ヒマは潰せたかな」 「ええ、それだけじゃなくて何だか1つ賢くなった気がします」 「・・・」 |
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「ねぇ博士。子供の頃から不思議だったんですけど、鏡って前後左右は反転するのに、どうして上下だけ反転しないんですか?」 「いわれてみれば、不思議だな。鏡は前後だけを反転しているはずなのにね。まぁようするにこれは定義の問題だ」 「定義?」 「そう。例えばね、リカ君にとって上下の定義は何?」 「上下ですか?うーん、頭のあるほうかな?あ、逆立ちしたら違うか。そっか、重力の中心に近いほうが下で、遠い方が上なんですね。主観的には頭が上ですけど」 「そうだね。じゃあ、前後の定義は?」 「そうですねぇ。これは顔の、というか、胸とかお腹とかのある方向が前、その反対が後ろだと思います」 「そうそう。もっとまとめていうと、目の位置か、初期設定の進行方向だ。蟹とかはちょっと特別だけどね。じゃあさ。左右の定義はいえるかな?」 「左右ですか?簡単じゃないですか、えーっと右手のある方が、じゃなくって、えーっと、えーっと、・・・あれ?」 「ふふふ、わかるかな?」 「右手っていう言葉は、左右が決まっているから決まるんですよね?」 「その通り。右手が左にあれば左手だ」 「うーん。こっちの手のある方が右で、こっちの手のある方が左。こっちの目のあるほうが右で、こっちの目のあるほうが左。・・・あ、そうか、わかった!わかりましたよ!」 「いってごらん」 「上下を決めて、前後も決めて、右側にあるのが右、左側にあるのが左ですね!!」 「そうだ。よくわかったね。左右は前後と上下を決定しないと決定できないんだ。おめでとう」 「ん?何がおめでとうなんですか?」 「今さっき、鏡の不思議が解けたじゃないか」 「え?どうしてです?上下前後左右の定義をしただけなんですけど」 「鏡はやっぱり上下だけを入れ替えないんじゃなくて、前後だけを入れ替えているんだってことさ」 「どういうことですか?よく意味がわからないんですけれど」 「鏡は前後が反転するっていうのは解かる?」 「左右じゃなくてですか?」 「うん。鏡っていうのは、そもそも鏡を中心に前後のみを入れ替えているんだよ。鏡っていう境界線に近いものは、近く、遠いものは遠いっていう風にね。当たり前だけど、頭上に鏡を持ってくれば鏡に近いほうが、鏡の中で、君に近付くだろう?」 「解かりました。で、それが何なんです?」 「じゃあ、いいかい?左右っていうのは、前後と上下を定義しないと決められないって言うのは、さっき解っただろう?だから前後が入れ替わる鏡では、一緒に左右まで反転してしまうんだ。基準の1つが入れ替わるわけだからね。これは上下だけを入れ替える鏡を例にとってもわかる。天井に鏡を張っても左右が入れ替わるだろう?」 「あ、本当ですね。そうか、すると、前後と上下を同時に入れ替える鏡では左右の反転がないんですね」 「正解。丸く凹んだ鏡で実験してみれば、すぐにわかると思うよ。そうだな、ボールでも似たような体験はできる。前後の特徴が無いボールは、基本的に人から見えるほうを前、って規定されやすいからね。ボールを真ん中において人間を2人立たせた後、『左はどっち』って聞いたらお互い違うほうをさすんだ。まぁこの例はボールには前後の定義が無いっていうことを利用したもので、前後の定義を入れ替える鏡とはちょっと違うんだけどね」 「へー、面白いですねぇ。・・・でもどうして、よりによって左右だけ定義が曖昧なんでしょうか?」 「それはね、生物には左右の区別が無いからだよ。左右対称だからだ。同じような物を区別するには、結局は周りにあるものを基準に持ってくるしかないんだよね。だから、もしも月が2つあったとしたら、月自身を区別するんじゃなくて、周りにある相対的な位置からそれを区別する事になったはずだよ」 「月が2つなんて素敵な表現ですね。あ、じゃあ左右が明らかに違ったら左右の定義は明らかになるんですか?」 「そうだね。右手だけがハサミの怪人は少なくとも、鏡に映った自分を見て『あ、左右が入れ替わってる』なんて思うことは無いはずだ。余談だけど、前後の区別が無くて、右手でご飯を食べて、左手で排泄する生物にとって、結局は右手が前で、左手が後ろってことになるんだ。面白いだろう?結局は前後も上下も左右もただの言葉っていう器で、大切なのは概念だってことさ」 「わかりましたぁ。それにしても左右という概念の区別は、生き物が左右対称だから生まれただなんて、なんだか不思議ですね。また博士の詭弁に乗せられているんじゃないかしら?」 「さァて。それはどうなんだろうねぇ」 |
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犬といえば。 僕は小学校時代、犬がとても嫌いであった。何しろ奴らは見境いなく吼える。ドキドキするくらい吼える。そして稀に、束縛から解き放たれたら何が嬉しいのか力一杯追いかけてくる。足も壊れよと逃げ倒したところで、いずれは追いつかれ噛まれるのが関の山だった。 そもそも、吼えるという行為はこちらに対して明確な敵意を示していることに他ならず、こちらに向かって疾走してくる以上それは「噛む」という行動を充分に予期させるものであったから子供時代の僕ら犬嫌い同盟としては逃げの一手より他に取りうる術を持たなかったのである。三十六計逃げるにしかずという言葉もあるが、三十六計もの手段は僕らには無かった。 当時の最大の敵は友達の家にいた黒い小さな犬であった。その名をジャッキーという。家の中において放し飼いにされているため、隙を見せた瞬間攻撃体制に入るのが始末に悪い。そもそもこの家には犬が何匹もいたし鳥から魚からザリガニから色々飼っている様だったので、動物が好きな家庭だったのだろうと思う。その最終形態が放し飼いというわけだったのだ。 僕らは幾度と無くジャッキーと100メートル走を繰り広げた。 おとりがいれば無難に入ることができるので、誰が追いかけられるかというのは中々重要な問題だったのだ。ちなみに、友達の家族に押さえておいて貰うなどという手段については全然思い至らなかった。 さて。 その友達が学校で、ジャッキーが死んだ。と洩らしたのは多分、木枯らしの吹き始めた秋のことだったように思う。僕らの間に様々な思いが流れたのは確かだった。 その時は言葉が出ず、帰り際にようやくその友達の家に追悼に行こうということになった。別のクラスにいたその友達は先に帰宅していたはずだから、ちょうど家にいるはずだった。いくら追いかけられたといっても少なからず思うところはあったのだ。 その友達の家に辿りついた僕らは少し躊躇した後、家の扉をゆっくりと開けた。 飛び出したのは黒い影。 逃げ出したのは、僕ら一同。 逃げる僕ら、そして追いかける影。 友達の家で死んだのはザリガニのジャッキーだと聞いたのは、それから5分後のことだった。 |
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「リカくん、確か君、昨日が誕生日だったんだよね」 「えぇ、そうですよ。みんないろいろくれたのに、何故か、奇怪な事に博士だけプレゼントくれなかったんですよねー、何ででしょうねー」 「まだ根に持ってるのかい?あ、そうだそうだ。それのお詫びというか、今日はちょっと趣向をこらそうと思ったんだけど、どうかな」 「何ですか?まさか1日遅れのプレゼントとかいわないでしょうね!?」 「まぁそんなものかな」 「わぁ嬉しいっ!くれるなら何でもOKですよ!わーい!」 「ちょっと、待った。趣向をこらすっていっただろう?ちょっと条件があるんだ」 「条件?何です?条件って」 「あのね、『僕は次の日曜日までのどれかの日の夕方7時にリカくんにプレゼントを渡そうと思うんだけど、君を驚かせるためにどの日に渡すかは秘密にしよう』と思うんだ」 「え?」 「メインはビックリさせることだから、渡す日がリカくんにばれてしまったら絶対に渡さない」 「え、え!?」 「まぁ期待して待っていてくれたまえ」 「ええええ!?」 「うん?何を驚いているんだ?」 「だって、え?それ、この間博士に聞いた死刑宣告を受けた囚人の話じゃないですか?」 「囚人の?・・・ああ。あれか。覚えてるんだ?」 「覚えてますよ!」 「いえる?」 「い・え・ま・す!でもここは、あえて死刑囚の話じゃなくて私のプレゼントの話をしますね!」 「構わないけど」 「(コホン)・・・じゃあ、始めます。確か、今回のこの場合は、プレゼントを渡す事のできる最終日が次の日曜日の7時だから土曜日の7時を過ぎたら、日曜日の7時に渡す事が確定するんですよね?」 「するね」 「これって土曜日の7時を過ぎたら、日曜日に渡す事に私が勘付いてしまうから、土曜日を過ぎた時点で絶対に渡せなくなるってことですよね」 「そうなるね」 「そうなると、博士は絶対に土曜日の7時までに私にプレゼントを渡さないといけなくなります」 「うん」 「でもその場合、ようするに金曜日の7時が過ぎてしまったら、渡せる日は、土曜日しかなくなるってことでしょう?」 「いかにも、そうだ」 「いかにも・・・って。じゃあ、金曜日の7時を過ぎたら土曜日に渡すって、私に勘付かれてしまうじゃないですか!!!」 「よく解かってるじゃないか」 「つまり、金曜日の7時までに私に渡さないといけなくなるわけで!でも木曜日の7時を過ぎたら金曜日の7時に渡す事が確定するから、木曜日の7時までに渡さなくいけなくなって、同じように考えると水曜日も火曜日も月曜日も私にばれることになって、結局今日渡さないと私にばれるってことですよ!?」 「ほほう。よく覚えていたね。感心感心。すると?」 「すると結論はつまり、今日しか渡す日が無いってことですっ!そんなの、私が知ってるんだから、渡せないじゃないですか!メインはいきなり渡してびっくりさせることなんでしょう?」 「まさに正鵠を得ているね」 「博士の馬鹿!そんな、飄々と、私にプレゼントをあげるだなんて、だったら最初からそのつもりが無かったんですね!酷い!!」 「うーん、そこまで見抜いているとは僕もビックリだ。君も成長したねぇ・・・」 「えーん。何をしみじみといってるんですか。もういいです。今日はもう帰ります!」 「あ、だったらそこにある荷物もついでに持って帰ってくれる?プレゼントだ」 「・・・へぇ?」 「もう1回いおうか?プ・レ・ゼ・ン・ト。リカくんは、どうもせっかちだから、安物とはいえ、ラピスラズリのブローチがちょうど良いと思ってね」 「え?」 「知ってるかな。青系統の石を装飾品として身に付けると性格に落ち着きが出るそうだよ。迷信程度のものらしいけど、ドジな君にはピッタリだ」 「え、え。じゃなくて、でも、ほら、さっきいった趣向って、プレゼントはあげないよ、っていう趣向だったんじゃないんですか?」 「僕はそんなこと、一言もいってないよ」 「だって、さっき『そこまで見抜いているとは僕もビックリだ』って・・・」 「まぁ最後のどんでん返しまでは見抜けなかったみたいだけどね」 「え、えーっ!?じゃあ最初からプレゼントをくれるつもりだったんですか!?」 「そうだよ。ほらね。ビックリした。予定通り予想通り。こういう風に趣向が成功すると僕も何だか嬉しいよ」 「そんなぁ・・・」 「ふふ、ほら、最初からいっていただろう?メインはいきなりプレゼントを渡して君を驚かせる事だって。それに良かったじゃないか。リカくんもこれでまた1つ賢くなったことだし。予測系の理論は、完全に予測できても、扱うのが人間であれば意外な結果が出ることもあるってね」 |
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「あ、博士何をしているんですか?」 「む!?ちょうど良い所に来た、見てくれリカくん!大発明だぞ!!見よ!!これぞ人類初の2足歩行型ロボット『エレクトラ』だ!!最高時速5センチメートルという脅威の性能を誇り、なんとジャイロスタビライザーを使わずに自動でバランスを取るという恐るべき頭脳を有しているのだ!!」 「へー?2足歩行ですか?でも似たようなのはすでにASIM○とか先行者が開発されてますよね」 「何?何だそれは」 「・・・?さぁ。H○NDAと中国が作ったロボらしいですけど、私も詳しくは知りません」 「むぅ。知らない間に世界はそこまで進んでいたか」 「博士は世情に疎いですからねー」 「放っとけ。しかし、それじゃあ人類初は名乗れんな」 「遅すぎますよ、時期が。時速5センチメートルも相当遅いと思いますよ。別の意味で脅威です。ところでどうしてエレクトラなんですか?」 「うん?あぁ。深い意味は無い。その辺りにロボット犬が転がっていると思うんだが、異常に僕を嫌うからエディプスと名付けたんだよ。エレクトラはまぁその連想だ」 「ふぅん。性能はともかく随分造型に凝ってますね? 動くフィギュアにしちゃったりして」 「馬鹿な」 「でもこれって歩くことしかできないんですか?」 「そんなことはないよ。頭もそこそこ良い。ところでリカくんはコーラを飲みたくは無いか?」 「あ、ちょうど喉が渇いていたんですよ。頂きます」 「ふふふ、エレクトラは移動に時間はかかるものの、そういう手伝い的な機能も有しているのだ。見よ!!・・・エレクトラ、コーラはあるかい?」 「ありますよ」 「・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・博士」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・うむ、少々言語中枢に問題があるようだな」 「いや、そういう問題じゃなくて・・・」 「みなまでいうな。哀しいから。それにしても、うーん、もう少し改良してみるか。質問に答えるだけじゃ意味が無いもんな。・・・目標は人間と間違うようなロボット。こんなところで頓挫するわけにはいかん」 「おー、すごい上段に構えましたね。・・・あれ、そういえば、前から思ってたんですけど、人とロボットの違いって何ですか?」 「人為的かそうでないかの違いだろ。えーと、放熱材はどこだったかな」 「えー!?でもそれじゃあハサミはロボットなんですか?」 「ハサミは道具さ。ちなみに道具っていうのは、その人間には出来ない事を補助するためのものの事だよ。金槌や車椅子、場合によっては人間自体も道具と呼ぶだろう?」 「それじゃあロボットって何なんですよ?」 「ロボットは生物にも出来る事を代わりにしたり、出来る能力を強化したものだね。火星探険ロボや、機械製造ロボ、愛玩動物ロボ。巨大ロボもそうだな。そういえば人間をロボットと呼ぶこともあるよね」 「ふーん、・・・微妙な定義ですよね」 「そうだよ。微妙なんだ。雑誌を見ているとロボットは今後どうなるか、ということについて議論する人がいるんだけど、発言者の中には、稀にロボット観が他の人と違う人がいるから困ったものだよね。ロボットは道具なのだから、いずれは完璧に使いこなせなくてはいけない、とかね。この人は間違っちゃいないけど、側面しか指摘していないから片手落ちだ。こういう意見って意味無いよね?」 「ええ。側面しか指摘していない意見、そうねー。醤油は飲みすぎると毒だから飲むな、っていってるみたいなんですね」 「わ、わかりにくい例えだね。むしろ、時計は時間を測るものだから、時間を測ることのみを追求すべきだ、っていってるみたい、という例えの方がわかりやすいよ」 「あ、そうか。そうですよね。時計にコンパスがついていないと道に迷いますもんね」 「それはリカくんだけ」 「あー酷い。・・・それじゃあね、博士。遥かな未来、例えば細胞レベルの小ささの部品でロボットができて、人間並みの意思と、身体を手に入れたら、それは人間と呼ぶべきですか?」 「ロボットはロボット。人間は人間。名称が変わる必要も意味も無いと思うよ」 「えーっ!?どうしてです?器も中身も一緒なんですよ?便利じゃないですか」 「歴史が違うじゃないか」 「でも、それくらい未来になって、ロボットの子と人間の子が一緒に勉強するときとか差別になりませんか?」 「差別というのはまた別の問題だよ。大切なのは区別さ。例えば犬が進化して人間そっくりになったとしよう。リカくんはこいつを人間と呼ぶべきだと思うのかい?」 「えぇ・・・!?うーん、呼びません。犬さんにも誇りがあるだろうし」 「だろう?ちょっと話が飛ぶけど、世の中には、名前が大切な視点と、中身が大切な視点が存在する。何かわかる?」 「わかりません」 「だろうね。名前が大切、というのは文化的な視点だよ。夜、という言葉をとっても、日本語のよる、英語のナイト、仏語のミニュイなど、さまざまな呼び方があるよね。ようするに人間の精神活動を重視した視点ということだ。他にもちょっと違うけど、作家の名前なんかもそうだよ」 「作家、ですか?」 「そう、作家。作家の多くはペンネームを使うけど、作品に対して必要なのは、このペンネームなんだ。中身、つまり本人が必要なんじゃない」 「え、だって、本人がいないと、次の作品が書けませんよ」 「それはどうかな?本人と全く同じ作風を持つ偽者が、本人と同じくらいの品質の作品を、本人のペンネームを使って発表したらどうなると思う?」 「読者はそのペンネームを持つ人の作品だと思い込みます・・・。でも、本人が文句をいったらどうなんです?」 「死んでいれば文句のいいようが無い」 「・・・そっか。だから本人は必要ないんですね。合作とかの場合を考えると、ますます名前は重要ってことか。Aさんの作品と、AさんBさん合作の作品は、作者の『中身』はそこそこ一緒ですけど『名前』は違いますもんね。名前を統一して同じ人の作品だといったらAさんもBさんも困る、というか怒るでしょうね」 「そういうこと。人間の精神活動を重視する文化的な視点が、名前を重視する視点だ。妖怪、伝統、語学、文学、社会、歴史、宗教学、とかだね。わかりやすくまとめると、発生した事実は同じでも、解釈の違いを問題にする視点、ってことかな。すると、中身を重視する視点っていうのは何だと思う?」 「逆に・・・、発生した事実のみを見つめる、物理学的な視点・・・ですか?」 「そうだね。これは科学とか、よけいな先入観を排した客観的な視点だ。発生した現象自体を扱うんだから、名前なんてどうでもいいよね」 「ええ。つまり、この視点の場合、名前はただの記号なんですね」 「わかったみたいだね。法律や数学、自然科学なんかこの部類だ。それじゃあさっきの話にもどそう。君は、辿ってきた歴史の違うロボットを、人間と呼ぶのはアリか、と質問したけど、これはアリかな?」 「なし、だと思います。ロボットが人間と同じ感性、意思をもつのであれば、接し方は完全に同格であるべきですけれど、その名にまつわる歴史が違う以上、呼び方を変えるべきではないんですね?少なくとも、かえるのであれば、過去にそういう名があったことを残しておいた上で新しい名称を考えれば良いということでしょうか」 「そういうこと。これは現在の差別表現にも適用される考えかただと思う。差別的な表現で傷つく人がいる以上、その表現を変えるのは仕方の無いことだけど、せめて名前の存在くらいは記録しておかないとね。それでも傷付く、っていう人がいるなら無くなってしまうのもしかたのないことだけれど」 「なるほど、難しい問題ですねぇ。重要度が学問に傾くか、心を持つものに傾くか、ですか」 「当然、心を持つものに重点を置くべきだけどね。あ」 「あ、煙吐いて壊れましたね」 |
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「こんにちはー博士、てあれ?布団なんかかぶって何してるんですか?」 「おおリカくん!?気をつけろ!!この部屋には幽霊がいる」 「あはっ。幽霊ですか?そんなのいるわけないじゃないですか!」 「そそそんなことはないぞ。幽霊はいる!いるんだ!!」 「何かすっごく怯えてますね。何かあったんですか?」 「うむ!昨日のことなんだが、心霊写真を見てから不可解な現象が立て続けに起こっているのだ」 「またまたぁ」 「む。疑うのか!?ほらそこのトイレを見てみろ、電球が切れてしまった。買ったばかりなのにだぞ!!」 「あはは、偶然ですよ偶然」 「あ、見ろ、犬のエディプスが空中に向かって吠えている!!」 「蝿でも飛んでいるんですかね?」 「ならばこれはどうだ!!本物の心霊写真だ!!」 「わぁ珍しい、光の加減でこんな風に見えるんですね」 「むむむ、何かすごく悔しいぞ。よーし、じゃあ科学的に幽霊はいるってことを教えてやろうじゃないか!!」 「もー、博士。そんな無理しなくっても」 「そんな余裕を見せていられるのは今のうちだけだぞ」 「へーえ。じゃあ説明してくださいよ。幽霊って何ですか?」 「んっふっふ。幽霊とはな、つまり非連続事象を連続事象へと恣意的に変える心のメカニズムのことなのだ」 「へ?何ですかそれ。私はてっきり」 「てっきり、何?人の霊魂だとか死後の意識だとでもいうと思った?」 「いいいいいーえ。そんなこと全っ然!!」 「まー聴きたまえ。この世に幽霊は存在しない」 「へー、存在しないんですかって、えええええええーっ!?」 「コントみたいなリアクションだな。・・・で、幽霊は、人の心の中にはちゃんと存在する」 「えーっ!??どういうことですか?よくわからないんですけど」 「ようするに幽霊は物理的は存在しないってことなのだ。そもそも生き物に幽霊がいるなら蛙やミジンコの幽霊だっている事になるし、幽霊が基本的に時を越えて存在するなら、この世界は幽霊だらけになってしまうだろう?重ねて、物理的に存在するならばこれは、逆説的に物理的影響力を持つと言うことになって、つまりは質量を持つということになる。これはわかるかな?」 「物理的な影響力を持つイコール質量を持つ、というのは変じゃないですか?」 「運動エネルギーや、磁力といった力場のことをいってるんだな。しかし、もし、それ自体が幽霊だとすると今度は世界中で行われている力場研究や、自然科学に影響を及ぼす事になる。科学とは同じ条件のもとで行った計測は同じ結果が出なければいけないんだけど、もしそうなら、自然科学に非常に大きな誤差が出て、自然科学自体成立しなくなってしまう、というかしなかったことになってしまう。そこから『それ』は幽霊じゃないのは解かるだろう」 「・・・ええ」 「しかし、幽霊が質量を持つとなるとこれは問題だ。質量があるということは『重なり合わない』ということだけど、じゃあさきほどいった昔からたくさんいる幽霊はどこにいるんだろうね?」 「水みたいに重なり合ってるとか」 「幽霊が?」 「・・・無理でしょうか。ほら、煙みたいに」 「煙のような存在なら、煙と同じように拡散してなくなっちゃうよ」 「そっか」 「ね。ということで物理的に幽霊はいない、といえるわけだ。仮に存在すれば測定できるし、出来ないなら拡散して、結局いないのと一緒だしね。・・・ところがところが、実は幽霊は心の中には存在するんだ」 「そう、それが解からないんですよ。どういうことなんですか?」 「幽霊の正体見たり枯れ尾花、って言葉聞いたことある?」 「ありますよ。幽霊がふわふわ飛んでいると思って恐がっていたけど、よく見たらただの枯草が揺れているだけだった、っていう話でしょう?・・・ほら、これも幽霊はいない、ってこといってますよ」 「そうそう、でもね。それは逆からいえば、枯草さえも幽霊に見えてしまうという人間の弱い心を表してもいるんだ」 「あっ。・・・確かにそうですね」 「だろう?そもそも人間っていうのは、自分は普通だ、と思う意識が強い。一方で非日常にも憧れてたりするんだ。それこそが幽霊を呼び起こす」 「またまた解らないです」 「言葉を入れ替えよう。人間っていうのは、自分は幽霊には会わない、という意識と同時に、幽霊に会うかもしれないという意識も持ち合わせているのだ」 「自分には宝くじは当らないけど、当るかもしれないから宝くじを買う、っていう感じでしょうか?」 「その通り!完全に否定されていない以上、自分にも可能性がある、と信じてしまうんだね。特に、前例者と環境が酷似していればしているほど、その意識は如実に浮かび上がるのだ。いくら確率が低くてもね。お願いすれば縁が切れるという噂で持ちきりの縁切寺で、試しにお願いすると、ホントに縁が切れた、という状況にも似ているかな」 「解かりますけど、それが、どうなるんですか?」 「幽霊は雰囲気が大切だ。夜、お寺、お墓、骨、過去の実績、生暖かい風、人魂、怪しげな鳴き声、鴉、闇。なぜこういう状況で幽霊が出るか。・・・それは根本に生理的なものも持ちうるが、主たる原因は先刻も言ったとおり幽霊を見たという前例者と環境が酷似しているからなのだ。『この雰囲気は、出る』そう思った時点で幽霊は出現しうるということだよ。それこそどんな人間の心にもね。もちろん、僕にも見えるし、君にも見える」 「わ、私にも・・・」 「そう。心霊写真などは良いきっかけになる。認知心理学で研究されている分野では、人間っていうのは点が三つ揃えばそれは顔に見えてしまうらしい。∵←こんな風に、目目口ってね。これは自然の中で敵の顔をいち早く察知して、即応するために発達したものらしいけど、人間という頭の良い動物は、幽霊が出る雰囲気でそれを確認するとうっかり幽霊だと思ってしまうんだ。人間は頭が良いから、服に見えれば服に見てしまうし、髑髏に見えれば髑髏だと思ってしまう。それこそが『幽霊の正体見たり枯れ尾花』という言葉の正体だよ」 「でも、でも、・・・そう、何となく出るかも、って思ってたら恐くないんじゃないですか?」 「それは甘い考えだといっておこうリカくん。空想と現実はリアリティが全然違う。直面した時の、空想と現実のギャップこそが恐怖の正体だが、『出る』雰囲気が揃った状況で存在しないものが目の前に現れた時、君は平然としていられるかな。実際、幽霊の出そうな雰囲気の時、条件さえ揃えば窓ガラスに不気味な人の顔が浮かび上がる現象というのは特異ながら起こりうると、科学的に実験され、成功している。窓ガラスに顔の模様が出来ていてそれが雷の光で浮かび上がるだけだが、実際に映る瞬間を見たら本気で怖いよ。そこに映る顔に人為的な意思を感じたら、その仮想意識こそが幽霊の正体というわけだが、あっ!リカくん、後ろの窓に!!」 「ひぃ!?か、顔!!きゃーっ!!!!!」 「あっはっは。あれはロボットのエレクトラじゃないか。ね?幽霊は怖いだろう?」 「窓の向こうにこっち向けてロボット置いていること自体素で恐いんですけど・・・。じゃあ、幽霊は、存在しようとしまいと、いるような気がしたら、いつでも見える可能性があるんですね?」 「ふっふっふ、しかし幽霊の恐さはそれだけじゃないのだ!!何だと思う?」 「まだあるんですかぁ・・・?」 「そう、それこそが幽霊のテクニカルコンボ!!恐怖の真骨頂だ!!そう、それは非連続事象の連続事象化なのだ!!」 「意味がわかりませんーっ!!」 「簡単なことだよリカくん!!幽霊を見た後体調がすぐれない、家庭環境に不幸が訪れた、運悪く試験に落ちた、電球が切れた、犬が吠えた、パソコンが壊れた、家が燃えた、骨が出てきた、さらに幽霊を見るようになった――」 「何よー、もぅぅ」 「鏡が割れた、地震があった。人は、結果に対して原因があると思うなら、すべてその原因に結果をなすりつけてしまうんだ!!幽霊を見なければただの偶然、ただのトラブルであったはずが、幽霊を見たことによって、トラブルや偶然の原因を何でもかんでも幽霊の所為ではないかと思ってしまう――」 「それはそうかも知れないですけど、実際に偶然が起こりやすくなってる気もしません――?」 「確かにそれはそうだ。特に人は幽霊に対して予断があるために、それを見た直後は神経質になってしまう。本来なら見逃す偶然を捉え、気付いてしまう。それこそが偶然を蓋然に高める要因だよ」 「えええ」 「普通であるはずの自分に発生する不幸な偶然、ありえない出来事。次々と起こる偶然に対して人は、自分は普通なのだから、これらの異常低確率事象には原因があるに違いない、と思う。未知の力が働いている――きっと幽霊の仕業だ、宇宙人の仕業だ、呪いだ――」 「違うんですか・・・?」 「人間は地球上に60億人以上存在する。しかも何十年も生き続ける場合も多い。そんな中には何をやっても一生不幸だという人や、良いことが無い、と思っている人は何人いることだろう。一生運が悪いというのは普通にありうることだよ。しかも、呪いや何かだと思う人はわずか数年の不幸を根拠に判断する事も多い。忘れてはいけないね。つまり普通というのは平均という意味ではなく、あらゆる確率の中に存在している、ということなのだよ。幽霊は誰にでも見えるし、無知ゆえに信じ込んでしまうこともある。特に盲目的な科学者なんか、頭から否定している分、体験したら嵌ってしまう事も多い。今日の結論はようするに『幽霊は存在しないけど見えるってことを忘れないようにしよう』ということで締めくくろうかな」 「解かりました。幽霊は存在しないけど見えるんですね!!」 「その通り!おや外も随分暗くなってしまったな。月も赤いようだ。雰囲気も揃っているし、今日は出るかもね」 「ちょ、ちょっと博士ぇ〜」 「なーに、振り向きさえしなければ、大丈夫さ。振り向いたらそこにいるかもしれないけどね」 「ほほ本気で恐いんですけど」 「いやいや、幽霊は存在しないよ。見えるけど」 「博士ぇ〜〜、それって何かの嫌がらせですかぁ!?」 「惜しい。冒頭での僕の恐怖を少しでも味わってもらおうと思ってね」 「酷〜いぃぃぃ!!」 「暗闇は人の想像力を駆り立てる。君は幽霊を見ずに今晩を過ごせるかな?窓の外、扉の向こう、タンスの中。幽霊はどこにでも現れうるのだ。気をつけた方が良いかもね」 ――翌日。 「はーかーせー!」 「おや、こんばんはリカくん。昨日は良い夢を見れたかな?」 「最悪です。ところでですね。さっきテレビの科学番組で、幽霊を見る原因は磁気の乱れが脳に影響を与えるだとか何だとかいってましたよ?幽霊を見るのって雰囲気が大切なんじゃないでしたっけ?」 「折角昨日説明したのにもう忘れたのかな?人間が物理的に幽霊を見る――幻視だとかそういうのだね。そんなのはどうでもいいんだ」 「どうしてです」 「だってさ、もしそれが見えたとしても、見た人がそれを幽霊だと思うかどうかは、結局はその人の心によるんだよ?物理的な原因はどうだっていいさ、それこそ作り物の幽霊だって何だってね。ようするに見た人が雰囲気とかそういう理由から、それを幽霊だと思い込むかどうかが大切だってことだ」 「うーん、つまり、いわくありげな土地で肝試しをして、誰かが悪戯で白い布をかぶって走り回ったら、見た人もそれを幽霊だと思う、ということですか?」 「そういうこと。別に脳内物質の話や、電気パルスの話をしなくたって、確かにそれは幽霊の見易さに影響するかもしれないけど、絶対的な理由にはなりえないだろうね」 「うーんなるほど〜。そういえば、その番組でも幽霊スポットでは、幽霊を見る人と見ない人がいる、という話もしてたんですけど、それはつまり本人が思い込む環境が整っていたか、いなかったかの違い、ということになるんでしょうか」 「そうだね。物理的な原因に縛られると、幽霊の正体を見失うよ。だって、そういう原因は無限にありうるんだからね。幽霊の物理的な原因は何か、という問いは、人間は何で出来ているか、という哲学的な問いにも似ている」 「?」 「人間は何で出来ているか。たんぱく質?動物細胞?原子?電子?クウォーク?もっと小さいかもしれない。どれが人間かな?他にもあるよ。社会環境の組み合わせ、他人の心の中、夢?僕らはパソコンの中にいるのかもしれない。ならば人間は電気でできているのかな?0と1の情報かな?」 「たくさんあるんですね・・・」 「そうだよ、屁理屈をこねればまだまだ出てくる。出てくるものを見つけるのは一生不可能だ。だって、原因なんか無限に出てくるんだから」 「人間が幽霊を見る理由にしても、同じ、ということですか?」 「似ている、だね。比喩表現の真意を読み間違えるのはいけないよ。ま、こういう風な、人間の心がまとめている現象を扱うつもりなら、人間の心を扱え、ってことだね。人間の心がまとめている現象を扱ったって何にもならないよ。多分噂話で科学を扱うのと同じくらい無駄が多い」 「ゲーム本体のバグなのに、どのソフトでバグが出てくるのか調べてるみたいな感じですね。本体のバグがどういう仕組みかっていうのを知っていれば、どういうソフトで発生するかはいつでも解かるけど、ソフトを一つずつ調べていては、キリが無いですもんね」 |
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ダメだっ。 テレビでやってるファックスのCMが気になって気になって。これ。オタックスっ。何て使いづらい名前なんだ。これは健全な自宅生への挑戦と見てもいいのだろうか。 そういえば、発毛専門リーブ21のCMも気になります。以前までの歌を歌う何処までも油っこい男性が気になったものですが今の和田アキ子の曲も中途半端に歌詞が気になります。 うろ覚えなんですが、『情け無用、あなたの髪きっと萎えてくる』っていってたような気が。いや、多分『悩み無用、きっと生えてくる』とかそういう感じだとは思うんですが。うろ覚えですまったく。 うろ覚えといえば、今日入ってくるバイト代いくらあるのかうろ覚えで計算してたため、計算に失敗して先月稼いだバイト代全部明後日には0円になる予定です。あぁまったくうろ覚えって怖いですよね。 |
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