Top>一般ログ>03年10月 |
∧ ∧ . ヾ(=w=;) Counter: URL:http://web1.kcn.jp/hal/ |
というわけで上遠野浩平さんの『殺竜事件』を読みました。 そこで思いついたことを色々書いてみたんですが、名探偵役のエドワース・シーズワークス・マークウィッスルって、登場シーンが御手洗潔とかぶっちゃってるなぁということについて考えたあたりで指が止まりました。 そこから勝手に想像が進んで、それにしても典型的名探偵像を使った小説は結構あるなぁと思ったんですよ。 例えば外見情報をなくして、見栄を張らせて、鬱にさせて、謎を知性で解かせたら、『姑獲鳥の夏』に登場する榎木津礼次郎は御手洗潔(※1になるなぁ、とか、御手洗潔から『無茶苦茶な行動=無茶苦茶な行動』を省いて『無茶苦茶な行動=実は答えへの伏線』を残し、見栄と鬱を省けば『翼ある闇』の名探偵木更津悠也になるなぁ、とか、 でも知らない人が読んだらわけのわからない文章が出来ちゃったので消しました。 (例)後動悟や風桜青紫や石崎幸二みたいなどっしりとしたような年上のような探偵役も一時流行ったようなとか、レーゼ・リスカッセは妹尾睦月みたいな立ち位置だな、とか。一瞬本を引っ張り出して名探偵のタイプを分類しかけたりとか。 ようするに結論だけいいますと、そのままベタベタな名探偵をそのまま使ってしまえば、それは単に面白いだけになってしまいますが、ベタベタな名探偵だという先入観を逆手にとって、そこに笑いなり別の意図なりをどれだけ巧く潜めるかに、作者の手腕が推測されるわけなのです。 (※1)御手洗潔を説明すると、シャーロック・ホームズを知らない人が持つシャーロック・ホームズの印象を特化させた上で、躁鬱をブレンドし、笑えたり爽快だったりする奇怪な行動をスパイスとして加えれば、似た感じになると思われます。凄い端的な説明ではありますが ところでお話は少し変わりますが、清涼院流水の『コズミック』を読んで毒気に当てられた人がここやらここやらに。 あれはミステリに見せかけたギャグ作品ですから真面目に読んだら当てられるかと。いろんな意味で。 |
← 新しいの ┃ 過去の → |