"SWING ADDICTION"
<REPORT-PART.3>
by 田家秀樹
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そのシーンはアンコールに実現した。上手からGLAYが登場し、下手から氷室京介
が現れた。自分のステージでは白だった衣装がGLAYと同じような色になっていた。
そのシーンは自分の目で確かめて欲しいと思う。氷室京介とTERUが、お互いにモ
ニターに足をかけて向かい合うように歌っている。お互いがしっかりと視線を向け、全
てを受け止めるように歌っていた。
夢を持ち続けるということの答え。途中で挫けないということの答え。ソロとバンドと
いう形こそ違え、自分の信じる音楽を求め続けているという点では明らかに同じ道を
歩いている。TERUは「氷室さんと出会って前に進めた」「もっともっと大きくなって夢
を持ってゆかないといけないと思った」と言った。「生まれて初めてこういうことをやっ
て、その相手がGLAYだったことがめちゃめちゃ幸せ」と言った。
日本にロックバンドは存在していること。ロックの血は途絶えてないこと。そして、更
に進化し続けていること。それを見届け、受け止めるオーディエンスは存在しているこ
と。つまり、僕らは決して荒野に孤立しているというのではないということ。この日、彼ら
が見せてくれた答えはそういうことだったと思う。
一日目。終わってから一人で少しだけ泣いた。その時、20才の時に好きだったフラン
スの詩人ランボーのこんな詩を思い出した。
"もう秋か それにしてもなぜ永遠の太陽を惜しむのか
俺たちは、清らかな光の発見に志す身ではないのか
季節の上に死滅する人々からは遠く離れて"
もう忘れかけていたそんな詩を思い出させてくれたこと。それも僕の中の
「ANSWER」だった。