hyde's Diary vol.69

2011. 3. 9(Wed.)	明治神宮にてお祓い。足がしびれて悶絶。正座なんてしないもん（笑）。地べたに座ること自体がありえない。家でも床には座らないし。（編集担当きくち「お祓いも毎年恒例ですね」）行くときにはいつも、顔色悪いヤツを連れていくんですけど、これ結構効きますよ！俺、神様は信じてないんですけど、お祓いは結構信じてて。最近の持論として、幽霊とか何も信じないんですけど、数百年前は地球が回ってること自体、誰も信じてなかったわけでしょ。だからなんの証拠もないし、自分たちには理解できる術がないから信じられないのであって、もし仮に明日にでも何か証拠が出てくる可能性もありますよね。霊であったり厄であったり。今のところは俺は信じられないですけど、将来的には何か信じられる証拠が出てくる可能性は否定できない。厄も何か霊的なものが関係してるかどうかはわからないけど、神社に行くことによって、何かが清められたり、精神的に何かが変わったり、それをやることによって細胞が浄化されたり、人にとっていい効果がある気がするんです。だから、ちょっと顔色悪いヤツに「行かない？」って、連れて行くことが多いんですよ。そうすると、1年ぐらいはいいですね（笑）。本当に厄がとれたように見える。こうやってしゃべってたらお祓いブームがくるんじゃないかと思ってるんですけどね。1回5000円くらいだけど、5000円でエステ行くよりも、こっちのほうが有効かもしれない。すごく気分が晴れる気がしますね。
2011. 3.11(Fri.)	事務所で東日本大震災に遭う。事務所にいてギターの練習してたのかな。ひとりで部屋にいたら、“きたなー、終わらないなー”って思って、みんなのいるところに走っていったらグラグラ揺れてて、危ねえなって机の下に隠れましたね。結局夕方ぐらいにそんなに車も通ってないし、大丈夫かなって思って車で帰ったんですけど、家まであと2kmのところでばったり動かなくなって、そっから5時間！2km5時間！！よくトイレに行きたくならなかったな（笑）。いや～すごかったね。
2011. 3.23(Wed.)	yukihiroの曲に仮歌を入れる。デモテープの歌がキーボードだったりするから、俺の声じゃないと雰囲気が出ない。“ラララ～”だけなんだけど、これが結構大変。1曲分のメロディ覚えるって案外時間がかかる。しかも譜割を間違えちゃいけないじゃない？半拍後ろだったり、手前だったりっていうのもしっかりやらないと、A型多いし、結局やり直しになったりするから。それを短時間で覚えるのは、たぶん日本でベスト10に入るくらい早いと思う。“メロディを覚える選手権”があったら出場したい（笑）。仮歌をうたうのは作曲の基本的な作業ですね。（きくち「じゃあみんなが持ってきた物を、決める前から仮歌を入れたりするんですか？」）そうなんですよ。hydeの声じゃないと、いいかどうかわからないっていう判断のもとに。だから俺が作ったデモテープは唯一、仮歌うたわなくていいんですよ（笑）。仮歌うたったけど世に出てない曲はいっぱいありますよ。
2011. 3.25(Fri.)	「XXX」の作曲作業。曲出し日はいつだったか忘れたけど、メンバーから「ここはこうしたらどう？」って言われたんで、だからそれについてのアレンジもいっぱいやった。みんなに出すまでもアレンジしたけど、出してからもアレンジした。で、言われたことを踏まえて、Aパターン、Bパターン……みたいに作ったんですけど、自分のなかでしっくりこなくて元に戻そうとしたんだけど、戻すのも惜しいみたいな話もあったりして結構大変で。結局元に戻したのをミックスしたらみんな納得して、採用になったんです。全部で50パターンぐらいはありますね。（きくち「最初から“この曲はものにしてやる！”って盛り上がりがあったんですか？」）最初からかっこいいなと思ってて、それ以外あんまり作る気になれなかったというか。でも、ちょっとクセのある曲だったんで、果たしてこれをみんなが受け入れるのかどうかがいちばん問題で。自分としては画期的な曲だなと思ったけど、そういう意味では“アルバムに入る曲だろうな～”ってぐらいの気持ちだったんですけど、結果的にシングルに選ばれた。
2011. 4.14(Thu.)	スノーボード用具を購入。去年の冬、“VAMPS LIVE 2010 BEAST”の最後に、富良野に行ってスノボーやってからまた火がつきました。（きくち「腕前は以前から衰えることなく？」）衰えてたんですけど、もう盛り返しましたね。前回と比べて“やったろうぜ！”っていうパワーが違いますね！
2011. 4.18(Mon.)～20(Wed.)	ラルク　アン　シエル　レコーディング
2011. 4.26(Tue.)	“20th L'Anniversary LIVE”演出打ち合わせ（きくち「演出家が入るっていうことは、どのようにお考えですか？」）今まではメンバーとスタッフで盛り上げてきたんだけど、やっぱりそこには限界を感じてて。常にメンバーが端から端まで見るっていうのはなかなかむずかしい。ステージのデザインに始まり、材質、照明、曲のアレンジも含めて、細かいことを決めていくのに、メンバーやスタッフ任せじゃなく、ちゃんと専門家がいて、さらなるアイデアを出す人がいるべきだなって前々から思ってて、“20th L'Anniversary LIVE”はお願いしました。（きくち「土台の方向性はラルク　アン　シエル　サイドから提案したんですか？」）まず1回は様子見るんです。どういうアイデアが出てくるかなって。その話を聞くとだいたいみんな、さまざまな方向性があるにしても、やっぱりコンサートは起承転結で、メニューが大事だって。そうすると結局そこを考えるのは、結成20周年だし、ラルク　アン　シエルを知ってる人間になるんですよ。だから、演出家が作りたい波に沿って、俺が曲を並べるって感じかな。でも演出家がいると、演出を客観的に考えてくれたり、今までのスタッフでは言いづらいことを言ってくれるから、それ新しいねって思うこともある。そういう意味では良かったな。
2011. 5. 6(Fri.)～24(Tue.)	“20th L'Anniversary LIVE”リハーサル。
2011. 5.27(Fri.)	池袋のギャルがいるお店でエクステをつける。やっぱり毎日つけている人のほうがうまいかなと思って、毎日ギャルのエクステつけてるようなお店に行きました。それでも多くて5人、少なくてふたりで、6時間！つけるときに誰かお手本になる人いないかなって昔のMORRIEさんの画像を探したんだけどなくて。そしたら知り合いが「これじゃない？」って出してきたのがシドの明希で（笑）。だから俺は明希のマネしたの。それを明希に言ったら「僕は昔のhydeさんをマネしたんですよ」って言ってました（笑）。
2011. 5.28(Sat.）～29(Sun.)	“20th L'Anniversary LIVE”＠味の素スタジアム。もう“雨止んで～！”って神様に祈ってましたね。せっかく考えた演出が雨で台無し！本当勘弁してって。自分が濡れるのはいいけど、ファンの子がかわいそうだし。今日やることが本当に最善なんだろうか？って感じでしたね。せっかくの晴れ舞台が台無しになっちゃうんじゃないかって不安でした。でもいざステージに立って、ファンとのいつもどおりのライヴがスタートしたら、逆に新鮮でしたね。この雨のなか歌うのもアリだなって。熱いものがありました。いっしょに感情を共有し合えば、雨も演出としてすごくステキでした。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　→5月28日・29日　20th L'Anniversary LIVE＠味の素スタジアム
2011. 6.13(Mon.)～ 7. 1(Fri.)	合間にプロモーションを挟みながら、レコーディング。
2011. 7. 4(Mon.)	「XXX」作詞作業。英訳打ち合わせ。同時に英語バージョンも録ろうってなってたんです。今までソロでやってた英詞より、精度を上げたかった。だから昔よくお願いしてた方とひさしぶりに打ち合わせして、お願いしました。（きくち「土台を日本語で考えて、それを1回英語に落としこんで整えるんですか？」）そうですね。本筋があれば、少々言葉が離れても戻れるんですけど、そこがズレてると枝分かれしたままどっかいっちゃうんですよね。それだと自分の作詞にならない。しっかり日本語で作っておいて、英訳のときに何か聞かれても、イエス、ノーがちゃんと言えるようにしておくっていう感じですね。
2011. 7. 6(Wed.)	「XXX」作詞作業＆仮歌入れ。英語の部分が、なかなかいい言葉がなくて。やっぱりデモを越えるのは大変。毛の倍音が曲を決めてたりもしたんで、結構大変だった。倍音を気にしながら歌ったのって初めてじゃないかな。倍音が少ないからもう1 回、みたいな感じ（笑）。デモを作りすぎるとこうなるんだって典型で、このあともっと大変なことになりました。
2011. 7. 7(Thu.)	「XXX」ヴォーカル録り。
2011. 7. 8(Fri.)	「XXX」コーラス＆「I'm so happy-L'Acoustic version-」レコーディング。 L'Acoustic versionっていって、ラルク　アン　シエル　アコースティックって感じのプロジェクトに移行しました。これは俺の発案なんですけど、将来的にアコースティック　コンサートをしたいな、したらかっこいいんじゃないの？っていう、そのための第一歩。楽器系をシンプルにしたぶん、歌で聴き手をやっつけたいなと思いました。昔の歌詞なんで、今歌うとこうなるかなとか、もうちょっとわかりやすい感じに書きなおしたりして録りました。ここでまた「XXX」のコーラス録りしてるんだ。なかなか終わらないね（笑）。
2011. 7.10(Sun.)	「XXX」ミックス作業。ようやくですね。不安なことがいっぱいでした。結局この日もミックス前にスタジオに入って、歌いなおしたんですよ。（きくち「ちゃんとしすぎるデモテープを作ることについて、ここは良かったな、ここは足かせになったなってことはありますか？」）やっぱり亡霊のごとく逃れられないんですよね。それを上回らないと気持ち悪いっていうか。自由度がなくなるというか、こうじゃないとダメって決まっちゃうから、それはむずかしいところ。その代わり、クオリティは上がってると思いたいけどね。でもこれ以外の方法は結構レコーディングでやってきたんで、たまにはこういうのもいいんじゃないかな。
2011. 7.14(Thu.)	「I'm so happy-L'Acoustic version-」仮歌入れ。結局これが本採用になったんです。というか、そういうつもりでやってました。あわよくばこれで録りおえてやる！って（笑）。そしたらプロデューサーの岡野さんにすっごい褒められた。うれしかったですね。
2011. 7.17(Sun.)	「XXX」再ミックス作業。ゴリ押ししてもう1回やったんです。後々、ない音が入ってたりとか気がついたりして。デモにパワー入れてなければ気にならないんですけど、ビシビシ作ってたから、最後のミックス1日ですべて正しいかどうかは判断できないよね。
2011. 8.22(Mon.)～30(Tue.)	“20th L'Anniversary TOUR”リハーサル。（きくち「どういうツアーになりそうですか？」）基本的には1日で20年を追えるようなライヴにしたいなって。2日公演ずつなんで、2日目にはメニューを変えるって感じです。今回は演出に紀里谷和明さんが入っているので、僕ひとりだとここまでできなかっただろうなと思います。