趣旨は、非販売員を含むすべての従業員に<あなたのお客様は誰?>と問いかけ、店ぐるみで、サービス業本来の心意気をとりもどすことである。
まず、満足していただく"お客様"とは
@ "お客様"とは、我々の利益の元になるお金や情報を持ってきて我々に仕事をさせてくれる人である、と定義するのがこのキャンペーンの趣旨である。
A つまり、店頭で販売業務に直接たずさわる人のサービス向上だけでなく、むしろ重点は、間接部門やスタッフや管理職などの直接接客販売していない人も巻き込むことにより、新しい企業キャンペーンとして盛り上げることである。
B 例えば、社員用の窓口業務は、そこに申請や申込に行った人がそのまま"お客様"であり、給料を生み出してくれる人である。
総務などの経費所轄部門のスタッフも同じく、"仕事のお願い"に行った社員などがあなたの"お客様"である。
C 部門長の"お客様"は部内のすべての人であり、それが利益の元である。店長の"お客様"は各部門長やスタッフや店内すべての人である。
D つまり小売の店頭にあった利益の源泉から派生したお金や伝票やアイディア、申請書や報告書などを毎日自分の所へ持ってきたくれる人が、"私のお客様"である。
さて、このキャンペーンの難関であり、それ故に是非とも克服すべき課題は、間接部門やスタッフや管理職などの非販売業務の人の参加である。
仕事の役割や権限を変えるのでなく、ただ、自分の目の前に来てくれた人を"お客様"と思うだけのことである。"お客様"の望みをなるべくかなえてまたもう一度きてもらえるように態度や言葉使いも演出しなければならない。
「この忙しいのにそんな事できるか、俺の部下に命令するのが管理者の職務だ、予算もないのにイチイチ人の話なんか聞いてもしょうがない、既に会議で決まって流れている事を何でまた説明するのか」。
その通り、非販売業務の人の"会社が決めたことを効率よく忠実に流す"という業務は、残念ながら、サービスマインド゙が行動基準ではない。
だからこそ、店長やすべての管理者とスタッフ、そして非販売員の全員が"私のお客様"を意識したサービス業本来の姿を演出すればキャンペーンは大きな効果をもたらし、店頭のサービスも飛躍的に改善され、多くの顧客の支持を得ること必至である。
キャンペーンにはシナリオと演出家とプレーヤーと観客が要るが、店で働く人はすべてプレーヤーであり、決して観客になってはいけない。いうまでもなく観客は、いまや辛口の一般顧客だけである。
しかしこのキャンペーンは、やる気のある店のボスがやると決断しなければ、始まらないと思う。
(終り)
参考資料、「見えざる顧客」