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  発達について
   ことばがうまれるまで

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   ことばがうまれるまで



 ことばを使って、人は自分の感情や意思を他の人に伝えたり、伝えられたりします。
 ことばは、人と人とのコミュニケーション活動の大切な道具なんです。
 また、ことばは知識を獲得し、それをもとに考えたりする上でも重要な道具です。
 このようにいろんなはたらきをすることばは、どのようにして生まれるのでしょうか。

 ことばの発生と習得の過程についてまとめてみます。

   前言語期                                     
 
 生後2、3週目ごろから、泣き声の分化が始まります。
 泣き声で、おなかがすいたり、のどがかわいたり、おむつがぬれたことを表現します。
 暑いとき寒いとき、きゅうくつなとき、さびしいとき、甘えるとき、泣き声で欲求を満たしてもらいたいことを訴えます。
 それで母親は、「○○ちゃん、よしよし」「はい、おっぱいよ」「わたしが○○ちゃんのママよ」といろいろと対応していきます。
 このとき泣き声は伝達手段となっていきます。

 生まれて3ヵ月もすると、向かい合って、母親から笑いかけると、子どもも母親の目を見てにっこりします。
 子どもをあやしていると、子どもはじっと目を見て、「きゃっきゃっ」と声を立てて笑います。
 「アーアー」「ウー」など話しことばのもととなる声、楠語を話し始めます。

 4か月を過ぎると、母親と他の女の人を区別するようになります。
 また、笑いかけると微笑み反応を示し、おこった顔をすると泣き顔を示します。
 母親と「いないいないばあ」遊びをすることをとてもよろこびます。
 「いないいない」といい顔をおおっていた手をよけるのを少し遅らせると心配して、母親の方に手をのばしてきます。

 6か月ごろには、人見知りがはじまります。
 子どもと母親の間に心のつながりができたあらわれです。
 子どもは母親のすることに興味をしめし、母親の動作を模倣します。

 8か月ごろには、這うようになり、母親の後を追って、家の中を這い回ります。
 手の届く範囲内であれば手をのばしてつかむようになります。

 l0ヶ月になると、母親の声を聞いて、模倣をさかんにし、親のことばを理解し始めます。このころには、親とのやりとり遊びを喜びます。
 子どもと母親の心のつながりが育ってくると、目新しいものに好奇心を示すようになります。

 一歳前後になると、「ママ」「マンマ」「パパ」「ワンワン」「ブーブ」と言ったことばをつかいはじめます。
 初めて意味のあることばを発します。
 これを始語といいます。
 

 子どもは、母親と意図や情動を共有するようになります。

 
 以前子どもと母親のこんな光景を見たことがあります。
 子どもは表情や手の動きで「それがほしい」「それは食べたくない」といった意図と情動を表現しています。
 母親は子どもの表情や手の動きから子どもの意図や情動を読み取り、行動していきます。

 
 
   
             
 

 小さい子どもさんを連れたお母さんです。
 お母さんが子どもに、
 「これがほしいの?」とお皿をとっては
 子どもに確かめています。
 子どもは、その皿を見て、
 「ううーん」
 とおこった顔を見せたり、笑顔を見せたりしています。
 手をばたつかせたり、伸ばしたりしています。
 ことばをまだ話せない子どもが顔の表情で、手で
 「お母さん、それは食べたくないよ」「それを食べたいよ」と
 話しているようでした。


 

 
このような母親と子どもとの意図や情動の共有が、子どもが親のことばを理解する基盤になるのです。

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ことばの拡大期
 
 1歳半ごろには1語文が表れます。

 2歳になると、「ママ・ダッコ」「ワンワン・キタ」のようにことばを二つ以上つなげて話しをするようになります。
 そのとき「スキクナイ」といったような誤りもみられます。
 しかしこうした誤りは周囲の大人の言いなおしでしだいに消え、「スキデハナイ]と正しい表現を身につけていきます。
 親しい人の問い掛けに応答できるようになります。
 探索行動も旺盛で身近のこまかいことにも気づきはじめます。
 さらに今まで「ブーブ」と言っていたものが、「バス」や「パトカー」になるなど語藁も増えます。
 助詞や助動詞も頻度高く使うようになます。

 
 子どものことばに共感することにより


 電車の中でこんな子どもと母親を見ました。

 母親は子どもと視線を合わせ、子どものことばを繰り返し、助詞をつけたし、さらにそのスピードを説明していました。




 子どもが反対の路線を走る電車を見ていました。
 すると、
 「でんしゃ、いった」と指さしながら、
 お母さんの方を見ました。
 お母さんは、
 「電車が行ったね。はやいね。」
 と答えながら、子どもの方を見ていました。
 子どもはまたそれに答えるように、
 何回か同じことをくりかえしていました。




 子どものことばに共感することで、母親と子どもの間に安心感が育ち、子どものことばがふえていきます。



 3歳になると、幼稚園や保育園などに行き、集団生活をはじめます。
 生活領域は広がり友達からの様々な刺激でことばは発達します。
 自我意識が高まり、なんでも自分でしたがるようになります。
 はっきりしたイメージを持つことができるようになります。
 仮定や原因をあらわす「〜だったら」「〜したから」などの表現も使うようになります。

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ことばの充実期
 
 同じ年頃の仲間とのコミュニケーションが活発になり、語彙数は一段と増加していきます。
 4歳になると、コミュニケ−ション能力が成熟し、ことばでは、意味体系の学習がはじまります。

 5歳になると、生活経験の拡大と論理的な思考から「なぜ」「どうして」を頻繁に使うようになります。
 そしてさらに粗大運動と微細な運動の発達に伴い、発音の発達も完成していきます。



                               「マママとままま」を参考にして
                                        
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